2123.【3】 ページ23
［潤side］
ちょっと緊張しながら
翔にぃの前に座った和。
翔にぃはそんな和の気持ちを分かっているから
雑談を交えながら診察を進めてくれてる。
雅「風呂上がったら卓球しよーよ！」
雅にぃも和の気を逸らしてくれて。
翔「よし、OK！みんなで行くか！」
和「やった！いこっ！」
聴診器を片付けようと鞄をゴソゴソしてる翔にぃに
バフッと飛び付いた和は、いい顔して笑ってる。
翔「そんなくっ付くなって。歩けねーよ。笑」
和「きゃはっ！」
戯れる和の背中を見てると思うんだよね。
『やっぱ犬みてーだな』って。
しかも大きいけど大型犬ではなくて、豆柴って
感じがする。笑
雅「やった！貸し切り〜」
翔「いぇーい！！」
タイミングが良くて、風呂には俺ら5人だけ。
翔にぃと雅にぃも俺らに負けず
テンション上がってる。
和「雅にぃ！馬やって！」
雅「ばかっ！さすがにやんねーわ！」
和「きゃはっ！」
俺らが小さい頃、よく背中に乗せてくれてたん
だよね。
「お馬さん」って言って。
さすがに温泉でそれはやらないよね。
翔「裸でくっ付くなって。恥ずかしい…笑」
和「えっち〜」
翔「このやろっ！」
裸んぼで翔にぃに密着した和は、追いかけられ
ながらシャワーの所まで逃げていった。
翔「じゅーん？潤も上るか？」
「ん、いまいくー」
シャワー浴びて3人で脱衣所へ。
体を拭いていたらお父さんと子どもが入ってきた。
和「…っ！あっ…」
慌てて体をバスタオルで隠す和。
俺と翔にぃの視線に気が付いて「あ、ほら。
恐がると可哀想だから…」って笑って誤魔化す。
体に残ってる沢山の傷。
手術の痕や、穿刺の痕ね…
翔「大丈夫だよ、かず。お前が笑ってれば自然に
そっちに視線がいくから。体になんて
気が付かないよ」
和「…ん」
翔「だから、気にすんな。お前にとって、その傷は
頑張った証だろ？俺らにとっても同じ」
和「…ん」
バスタオルで包まったままの和の頭を
翔にぃは自分のバスタオルでガシガシ拭く。
和「…っ！きゃはっ！もっと優しくしてっ！笑」
「…っ！ボサボサになるっ…」
ついでに俺までガシガシやられて。
いっぱい笑って、楽しい雰囲気が戻った。
翔「あの2人、長湯しそうだから売店でアイスでも
買って待ってるか」
和「きゃはっ！アイスやった！」
「くはっ！おれチョコ〜」
翔にぃにアイスを買ってもらって食べていたら
「のぼせた〜」って言いながらフラフラの2人が
上がってきた。笑
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
