2048.【6】 ページ48
［潤side］
ホテルから近い病院に
翔にぃに連れてきてもらった。
俺の病状を説明する翔にぃの横顔は
とってもカッコよくて、思わず見惚れてしまう。
ここではお医者さんではなくて、兄貴。
俺の翔にぃ。笑
翔にぃは終始、肩に手を置いて
いっぱい甘えさせてくれたから少しの不安も
なくて。
病院に来る前も「薬もらったらホテルに
戻ろうな」って約束してくれたし。
だから呑気にし過ぎてた。笑
お医者さんの「念の為にインフルエンザの
検査だけしておきましょう」って言葉に我に返る。
あれ…痛いんだもん。
動いちゃって、すげ〜痛い思いした記憶も
蘇ってきたから、知らずのうちに不安な顔に
なってたんだろうね。
検査の準備を進めるお医者さんを横目に、
「大丈夫だよ、潤。じっとしてたら
一瞬で終わるから」って翔にぃが励ましてくれた。
翔「少し上向いて目瞑って？」
「…ん」
言われた通りに動いたら、翔にぃが後ろにきて
頭を支えつつアゴを少し上げてくれて。
医「入れますね〜？ちょっとだけ痛いの
我慢して下さいね〜」
「…っ、んっ…」
やっぱり反射的に動きそうになったけど
翔にぃがいてくれたお陰でセーフ。
無駄に痛い思いをせずに済んだ。
検査の結果もすぐに出て、インフルエンザでは
なかったし、一安心。
翔「おつかれ。笑
ちょこっとスーパーで買い物していこっか。
何食べれそう？」
「…」
翔「…ん？食欲ない？」
「…ん。…も、がんばって食べたら、熱下がる？」
翔「はは！そんな頑張らなくてもいいよ。
無理なく食べれる物。…ありそう？」
「…ん、じゃあ、くだものがいい」
翔「おっけ。消化良いもの買ってくるな？」
「ん、ありがと…」
ワシャワシャっと頭を撫でられて車内に一人。
待っている間に眠ってしまったみたいで
次に目を開けた時には、ホテルの布団の上だった。
和「じゅん…大丈夫？」
「…ん。ごめんな…旅行」
和「んーん。いいの」
果物をもらって少し食べて、薬を飲んで。
翔「もう一眠りすれば、熱下がると思うから」
「…ん」
やっぱり、どうしても感じてしまう罪悪感。
俺だって楽しく過ごしたかった…
考えたら泣いてしまいそうで、それを隠したくて
ギュッと目を閉じて眠りに落ちた。
眠りながらも、みんなの声は耳に届いていた。
「明日はここに寄って帰ろう？」って和の声とか
「これ美味そ〜」って翔にぃの声とか。
それに安心できて、不安も悔しさも忘れて
グッスリ眠れたんだ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1671人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2015年10月17日 13時
