1858.【3】 ページ8
［翔にぃside］
腕の中には
泣き虫の末っ子ちゃん潤。笑
「じゅん…？もう泣かないの…な？」
潤「…っん、ん…」
コーチから話を聞いて、ビックリした。
具合が悪くなったタイミングが、和が発作を
起こし掛けて苦しんでる時と
同じくらいだったから。
熱い体を抱き締めてると、和のことを思い出す。
智にぃと雅紀に託してきたんだ…
ほんとは潤の迎えに智にぃに行ってもらおうと
思ったんだけど、和がそれを許しては
くれなかった。
「翔にぃが行ったら、少しでも早くラクにして
あげられるでしょ？」って。
「薬、持って行って助けてあげて…」って。
だけど、あんな状況だったし決断するのが
難しくて…
そしたら「分かった…点滴、頑張るから。
それなら、いいでしょ？」って。
あの和がだよ？笑
潤の為なら恐怖にも勝てるんだなって
改めて再確認させられた。
それに、このタイミングね。
やっぱり、さすが双子だわ。笑
潤「…っ、ん…、…えりた、い…」
「家に？帰りたいの？」
潤「…んっ、ん…」
雅紀からの連絡では、和の容態は落ち着いてる
みたいだから一泊しようと思ってたんだよね。
「点滴して、ゆっくり寝て…明日の朝、帰ろう？」
潤「…だっ」
「なんで。笑」
目を合わせようと思って、体を離して顔を
覗き込んだら、思いっきり逸らされた。笑
「とりあえず熱計って、それから
決めよっか。な？」
潤「…やだ」
熱い体で苦しそうに呼吸してるくせに「やだ」って
連呼して駄々っ子。笑
まだ泣き虫の末っ子ちゃんのが扱い易かったわ…笑
「帰るって約束するなら計る」なんて、都合の
いい事言ってくるから、とりあえずベッドに
寝かせて体温計をスタンバイ。
「じゅん…？」
潤「…来ないで。…触んないでっ…」
「…笑。やだね！笑」
潤「ん〜…」
嫌がる子の検温なんて慣れたもんだから。
頭をキュッと抑えて耳に体温計を差し込んだ。
怒ってるけどピピッて鳴る方が先だもんね〜。笑
「高いな…」
思ったより高い熱。
「じゅん…？39℃超えちゃってるよ…
辛いだろ…？」
潤「…ん、…いきだから、帰る…」
起こそうとしてくる体をベッドに押し戻して
点滴を取り出していたら、雅紀から着信。
「和の熱が上がって辛そうなんだけど
出来ることない？」って。
思わず「こっちもなんだけど…笑」って
呟いてしまった。笑
とりあえずアイシングをお願いしたけど
朝イチで帰ってやらないと可哀想だな…
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
