1895.【6】 ページ45
［智にぃside］
和は今朝、勝手に家を
抜け出して病院にきたらしく…
まぁ、7時前に受付のスタッフに連れられて病室に
来たから『おかしいな…』とは思ったんだけどね。
「なにで来たの？タクシー？」
和「…うん」
叱っているわけではないのに、ベッドに座って
俯きながら足をプラプラ…
「翔達と来たらよかったのに」
和「…だって、寝てたもん」
「黙って出て来ちゃったら心配するよ？」
和「…んっ」
プイッとそっぽ向かれちゃった。笑
体に触れた感じ、熱があるわけではなさそう。
顔色もいいから、体調が悪くて…って感じも
なさそうだから、診察で引っかかって面会が駄目に
なるってわけでもなさそうなんだけどね。
ただ単に待てなかっただけっぽい。笑
和は早起きさんだからね。
「かーず…？」
和「…」
「…笑」
結局、和がヘソを曲げたままのところに
翔達が合流。
朝食を食べる間もなく出てきたみたいで
雅紀と潤は、さっそく朝食中。笑
翔「勝手に出て行っていいの？」
和「…」
翔「かず？」
和「…くな、い…」
翔「なに？聞こえない」
翔も焦ったし、不安だっただろうからね…
少しくらい厳しくなるのは仕方ない。
厳しくなり過ぎたらフォローしようかなって
思って、少し心配して見てたけど…
翔「かず？口あるだろ？自分で言いなさい」
和「…んぅ、だって…」
そんな心配は必要なかったみたい。笑
「駄目なのは知ってるけど、早く智にぃに
会いたくなったから来たんだもん」って。
可愛すぎでしょ？
素直すぎでしょ？
もうね、誰も何にも言えない。
朝食を食べてた2人もニコニコして、こっちを
見てる。
こういう可愛いのに一番慣れてないのは
翔だからね。
案の定、返す言葉が見つからず「どんな理由でも
今回だけだからな？」だって。笑
和「むぅ…分かってるもん…」
膨れた和はピトッとお腹にくっ付いてきた。
可愛いやつめ。
ギュッとすれば感じる温もり。
早く家に帰りたいなぁ〜
可愛い弟が4人もいる家。
大好きなんだよね…
それに和は俺のこと守ってくれる。
和「…すぐ終わらせてね？」
翔「任せろ」
和「…痛くしたら駄目だからね？」
翔「はいはい。笑」
あ、採血からね？笑
家を留守にしておくのは心配だし、やっぱり
家で家族の顔を見たいから帰れるように
頑張らなきゃね。
和「ばいばい…明日もくるね？」
「ん、待ってるね」
和にいつまでも、こんな寂しそうな顔を
させておくわけにもいかないしね。
END
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
