1883.【2】 ページ33
［翔にぃside］
潤は自分に
厳しいからね。
まぁ、俺らは「勉強しなさい」「テストで
いい点数をとりなさい」ってスタンスでは
教育してないから。
ただ、潤は良くない点数をとった自分が許せなくて
落ち込んでるんだろう…
潤「…せっかく教えてもらったのに…」
「ん？」
潤「勉強…。翔にぃに教えてもらったのに…」
はは！
そのことも気にしてたのね。笑
ほんと可愛いんだから。
「翔にぃ勉強教えて〜」って甘えてたもんな。笑
でも、結果が全て実るわけではない。
そのことが大人になった今なら、よく分かる。
そりゃ、勉強したのとしてないのでは格段に
変わってくるとは思うけど。
そんな話をしながら「俺はいつでも勉強教えるし、
努力は次に繋がるから」ってことを
真面目に伝えてみた。
正直、恥ずかしいけど…でも潤が布団に潜ってて
くれたから、ちゃんと話せた。笑
「…テスト見せてみ？」
潤「ん…」
布団の中から伸びてきた手。
その手に握られたクシャクシャの紙。
点数を見たら、ちょっと笑っちゃう。
「…笑。次、頑張れ」
確かに良くない点数。
でも、それを気にして今だに顔を出せない潤が
急に愛おしく思えて。
「大丈夫。教えてやるから、気にすんな」
布団を捲って、今度はしっかり目を見て伝える。
潤「ん。頑張る」
不安そうに揺れていた瞳が、力強い瞳に変わった…
［和side］
悪い点数をとったテストから数日。
俺らは、ある計画を立てて…
成功させる為に頑張ってる。
潤「一教科じゃ、まぐれっぽいじゃん？」
「…マジで？」
出たー…
熱すぎる男。笑
俺にとって『テストで満点』なんて奇跡に
近いのに、潤はそれを『2教科満点』って
レベルを上げてきた。
って言っても、俺らが満点を狙ってるのは
学期ごとの大きなテストじゃなくて授業内でやる
小テストね。
それでも潤には「すげー小さいテストは無効な！」
って、ここでもしっかり釘をさされてるけど。笑
仕方ない。
俺、やる時はやるからね。
短期間でささっと2教科満点をとって、後は
潤が納得するのを待つことにしましょう。笑
潤「何の教科にすんの？」
「ん〜…満点、とりやすいやつ？笑」
色んな教科を頑張るのは向いてない。
それに…
とりやすい教科ってのが、あるはずなんだよね。
潤「俺は数学は絶対」
翔にぃに教えてもらってるもんね。笑
数学で満点か…
俺はやめておこっかな。
1問でも解けなかったらダメだもんね。
勘で解けないし。笑
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
