1873.【3】 ページ23
［智にぃside］
クリーナーを嫌がって
俺の腕の中から逃げ出した和。
翔「かーず。嫌なの分かったけど、やらないと
後でもっと大変になっちゃうから…」
和「…っ、ん〜…」
少し興奮状態の和には翔の言葉も届かない。
翔「俺、磨くから2人で抑えててもらっていい？」
「ん、りょーかい」
ラグの上にクッションを置いて、寝かせる体制を
整える。
和「…っん、…んな、い…やー」
這ってでも逃げようとして、ちょっと可哀想だけど
3人で無理矢理に仰向けに寝かせる。
和「…っ、ん…、い、や…やー」
「ん、嫌だね。ちょっとだけ頑張ろうね…」
翔「あんまり開口させんのは可哀想だから
これ噛ませるね…」
翔は一番負担の少ない開口器を和の奥歯に
噛ませる。
和「…っん、…っ、げほっ…」
雅「大丈夫…恐いことないからね…」
雅紀が胸元を優しく摩って温もりを伝えてくれる。
和「…っ、んっ、…め、る、やめ、る…」
「やめないけど、大丈夫…大丈夫だからね…」
和「…っんっ、げほっ…やめ、た、い…」
最近は、ここまで何かを嫌がることって
なかったから辛い…
翔「綺麗にしたら、おしまいだから…
ごめんな…？」
和「…んー、んっ…げほっ…」
興奮して泣き叫ぶから咽せちゃうけど
翔はタイミングを見ながら指に巻いたクリーナーで
和の歯を磨いてくれる。
和「…っん、んっ、…やー」
翔「嫌だね…もう少しな…？」
体を捩って、何とか逃れようと必死。
小柄とはいえ、全力で暴れる和を抑えるのは
かなり大変だし、気も滅入る…
和「…げほっ…やー」
「嫌だね…ごめんね…」
口元に伸ばそうとする手を、お腹に抑え込む…
和「…っ、…ゅ、ん…、じゅ、ん…」
雅「今ね、お風呂だから。後で来てもらおうね…」
いてもらった方が良かったかな…
俺らの3人には助けてもらえないって分かるから
潤に縋りたいんだろう。
翔「明日から、傍にいてもらおうな…？」
和「…ゅ、ん…じゅ、ん、が、いい…」
「ん…いて欲しかったね」
こんなに泣く姿、ほんとは潤には見せたくはない。
でも、それで和の気持ちが少しでもラクに
なるなら…
翔「これでおしまいにするから…
いーって、してくれる？」
和「…っん、ん…、や…」
翔「これでおしまいだから…。な？いー？」
口から開口器を取り出した翔は、タオルで涙を
優しく拭って和の頬に手を添える。
和「…んっ、ん…、いー…」
翔「ん、ありがと…」
相当泣いたけど、何とかクリーナーを終えた。
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
