44.【野球のコーチ！？】 ページ44
［和side］
雅「ほら、
すぐ投げないと
走りこまれるよ？」
俺が学校に行っていない間に
体育の授業で野球の真似事みたいな事を
やったらしい。
今はみんなそれがブームで休み時間は
そればっかり。
俺はルールも理解してないし
仲間に入れてもらっても、きちんと
ボールを仲間に回すことができなくて…
そのことを、家でちょこっと愚痴ったら
雅にぃが教えてくれるって話になった。
雅「よし、またキャッチボールの
練習してからにするか」
潤「うん！」
潤も野球が好きみたいでニコニコして
楽しそうだ。
俺も好きなんだけどね、野球。
だけど熱が入り過ぎてスパルタになる
雅にぃは嫌い…笑
雅「かず！何であきらめちゃうの？
下がればキャッチできるんだってば！！」
ほら、また怒られた…
これが、さらにヒートアップしてくるから
俺はだんだん嫌になるんだってば。笑
潤は雅にぃのお蔭で、野球がすごく上手に
なったって喜んでるけど、俺は学校で
困らない程度でよかったのに。
別に野球選手目指してないし…
「まさ、にぃ、疲れたー」
雅「じゃあ、次のキャッチできたら
休憩ねー？」
俺より雅にぃのが楽しくなっちゃってん
じゃんよ…
雅「かーずー？いくよー？」
渋々、グローブを構えた俺を見て
気合の一球を投げてくる雅にぃ。
もう気合い入れ過ぎなんだって…
取れっこないよ…
雅「下がって、下がってー」
案の定、俺より遥か後ろに落ちたボール。
雅「かーずー？キャッチしてよ！
少し走ってから、ボール見てキャッチすんの」
「雅にぃが飛ばし過ぎなんだもん！」
雅「和がすぐ諦めちゃうからでしょ？
最初から無理だって思ってたでしょ。」
図星…
俺が黙って俯いたら「まぁ、いいや。
俺も疲れたから休憩しよ？」って
芝生に座り込んだ。
雅「苦しいとこない？大丈夫？」
さっきまで俺より子どもみたいに、
はしゃいでたのに急にぐんと
お兄ちゃんになる雅にぃ。
俺が「平気」って頷いたら
嬉しそうに笑ってくれる。
優しい兄ちゃんなんだけどね…笑
「俺、疲れたからもういい…」
雅「えー、せっかくだから
もうちょっとやろうよ。俺が打つから
潤と和でキャッチして？」
「あんま飛ばさないでよー」
潤「あ！ホームランだ！！」
潤はきゃっきゃっ嬉しそうに走って
遠くのボールも追いかけてる。
俺は近くのしかキャッチしない。笑
だって雅にぃのボールは容赦ないもん…
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
