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［智にぃside］
24時間、
外されることのない点滴。
和は点滴の交換のせいで看護師や先生が
何度も病室にくるんだと言って
「外して」って何度も訴える。
俺らがいくら必要なものだと説明しても
聞こうとしないし、駄々っ子になってしまう…
あまりの分からなさに、翔が少し厳しく
叱ったら、和はベッドの上で
ひっくり返って泣き出した。
翔「泣いても駄目だよ、和。」
和は「外して」「やだ」「とってー」って
泣き叫ぶだけ。
翔「いくら泣いても外せないよ？おいで？」
まったく聞く耳を持とうとしない。
叱られた時もそうだけど、和は頑固だから
なかなか自分から引くということをしない…笑
翔「聞かないんだったら、何も話せないね」
翔は俺に向かって、苦笑いで「ごめん、
泣かして」って呟いて和から離れた。
途端に大きくなる泣き声。
話し聞かないで怒ってないてるくせに
甘えたい気持ちは強いんだもんね。
和「やーだー、とってー」
「かず…おいで？今は外せないんだって」
ベッドに座って両手を広げてみたけど
一向に動こうとしない。
翔「泣いても駄目なもんは駄目。」
和「やーだー、いじわるー」
翔「はは、わがまま！！」
和「やーだー、とってー」
「そんな泣かないでよ。おいで？」
ほんとはすぐにでも飛びつきたいくせに…って
思いながら手を広げたまま待ってやる。
だけど、和はなかなか動かない…
先「あれ？怒って泣いてどうしたの？」
ノック音がして先生が入ってきた。
その途端にピタッと止まる泣き声。
和は先生を見てビクッとして
すごい勢いで俺にしがみ付いてきた。
翔「点滴が気に入らないみたいで…
外してって怒って泣いてるんです。ただの
駄々っ子なんで気にしないで下さい。笑」
先「そっか、そっか。動きずらくて邪魔
だもんね。でも、もう少し辛抱してね。」
相変わらず和は話し出した先生を見ようとせず
顔を背ける。
和「…って。…わい、から…っち」
先「うん、これ以上は近付かないからね」
和は先生の言葉を確認するように
先生を見てから、俺の胸に顔を押しつけた。
ポンポンと背中を叩いてやれば
少しずつ落ち着いてくれる。
和「…しょ、にぃ」
「ふふ。いるよ、あそこに。」
和「ん…よんで…？」
「うん、呼ぼうね」
俺が手招きして呼んでやったら、
手を差し出して握ってもらう和。
そんな俺らの様子を先生はドアの近くで
頷いて、優しく微笑みながら見守って
くれていた…
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
