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［智にぃside］
雅「ゲームもここに
置いておこうね」
和「ん…」
雅「ほら、枕にマリオのバスタオル掛けて
あげる」
和「ん…」
雅「いつものタオルケットも
持ってきたからよかったね〜」
和「ん…」
雅紀は俺の腕の中で動かない和に向かって
優しく話し掛けながら
身の回りの支度を整えて、安心できる様に
してくれている。
翔「かず、ベッドおいで？」
さりげなく脈をとり終えた翔が
ベッドをポンポンしたら
素直に立ち上がった和。
フラついた体を支えながら、ベッドに
寝かせてやったら手をギューッと握ってくる…
「ここにいるから大丈夫だよ。」
和「ベッドは…？智にぃの…ベッドは？」
当日になって、病室を変更してしまったからか
まだ付き添い用のベッドがない。
雅「聞いてきてあげるね。」
雅紀は「待ってて？」って和の頭を撫でて
病室を出ていった。
先「どう？」
入れ替わる様に入ってきた先生。
後ろにはカウンセラーの姿もある。
和「！だめ…きちゃ、やだ…」
ベッドの上で手を振り回す和。
先「先生は和くんに何もしないよ？」
先生は、それ以上近付かずに微笑んでくれる。
和「…わらないで。」
先「うん、分かった。」
「触らないで」なんて失礼な言葉にも
先生は顔色一つ変えずに微笑む。
先「今日から少しだけ入院しようね。
でも、元気になったら帰れるからね。」
「よろしくお願いします」
頭を下げる俺らの横で
和は先生から一時も目を離さない。
雅紀が戻ってきたから、和と潤を頼んで
先生達と、一旦病室を出た。
カ「恐がり方が尋常じゃないですね。
本人が話せるようになるまで分かりませんが、
治療の恐怖だけではない気もします…」
翔「そうですか。」
カ「焦っても逆効果なので、和くんが
落ち着いて話せるまで待ちましょう。」
先「そうですね。まずは、この環境に
慣れてもらうことからかな。」
カウンセラーと先生との話し合いで
投薬は明日から、検査は少し落ち着いてから、
カウンセリングはタイミングを見てってことで
話がまとまった。
翔がここの病院で働き始めるのも
和の様子次第みたい。
今日は、和が少しでも病室で落ち着いて
過ごせるようにと、簡単な診察を翔が任され、
先生もカウンセラーも病室には
入らないことになった。
病室に戻ったら和はウトウトしていて
雅紀が安心させようと頑張ってくれていた。
俺らをちらっと見た和は安全を確認して
また目を瞑った。
体からは力が脱けず可哀想だ…
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
