14.【引越し】 ページ14
［翔にぃside］
新しく選んだ和の
病院は今の家からは
遠いから、これを機に俺らは引越しを
することにした。
両親が亡くなってからは小さなアパートに
引っ越して暮らしていたから
和と潤は「自分の部屋ができる」って
大喜びだ。
下見に行った時もバタバタ走り回って
楽しそうにしてた。
今日はいよいよ、引越しの日。
和潤「トラックで行きたい！！
のーりーたーいー！！」
引っ越し屋のトラックに乗りたいと
大騒ぎの双子を宥めていたら
引っ越し屋のお兄さんが乗せてくれた。
智「ほんと、すみません。お願いします」
申し訳なさそうに頭を下げる智にぃの
気など知らずに、和と潤は窓から手を振って
上機嫌だ。笑
智「和、潤。運転中は迷惑掛けちゃ
駄目だよ？」
和潤「はーい！」
智「騒ぎ過ぎても駄目だよ？
お仕事中なんだからね？分かった？」
和潤「はーい！」
こういう時、子どもってほんとに良い顔
するんだよね。
「言うこと聞かなかったら、放り出して
いいですから。ほんとに。」
俺が冗談でお兄さんに言ったのに
和も潤も降ろされては大変だと思ったのか
背中をピシッと伸ばして座り直した。
素直で可愛い。笑
そんな双子を見て、お兄さんも大笑い。
和潤「しゅっぱーつ！！」
張り切った和と潤を乗せて
トラックが出発したから、
俺らも後ろをついて行った。
潤「ねー、ひろーい！！」
和「2階いこー！！」
荷物を運んでいる間も、和と潤はバタバタと
ひたすら走り回り、楽しそうにしている。
とりあえず、荷物を中に全て
運んでもらったとこで片付けは後回しにして
近所を散策に出掛けた。
雅「お腹も空いたしさ、お昼ご飯にしよ？」
智「そうだね。どっか食べるとこ探す？」
和潤「あっ！パン屋さんあった！！」
駆け込んで行った2人を慌てて追う俺ら。
和「おれ、パンがいー！！メロンパン！」
最近、あまり食べることに興味を
示さなくなった和が珍しく嬉しそうだから
俺らは自然とパンを買う流れになっていた。
雅「外、気持ちいーね。」
結局、公園で食べることにした俺ら。
「帰りに、新しい学校見てから帰ろうか」
和潤「うん！！」
2人とも大喜び。
転校することになったけど、和と潤にとっては
大した問題ではないようだ。
学校の周りをぐるーっと1週して
新居に帰ってきた。
「かずー？遊ぶ前に薬飲んで？」
部屋の隅に逃げてブツブツ文句を言ってた
和だけど「飲まなきゃ遊べないねー」って
脅したら、素直に飲んでくれた。笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
