46.【39】 ページ46
［雅にぃside］
和は頭痛のせいで
ゆっくり寝ることも
できない…
頭痛よりも睡魔が勝った時だけ…
休める状態が続いていた。
服薬3回目の前に、ほんの少しだけ
お粥を口にしてくれた。
智「えらいね、かず…」って
頭を撫でられて
2日振りに安心した顔してたのに
やってくる服薬の時間…
そりゃ、嫌だよね…
分かっているけど、
飲ませる以外の選択肢はなくて、
押さえつけて飲ませる。
これで3回目だ…
和だって、俺たちに敵わないって
分かっているのに、最後まで諦めない…
苦しそうに咳き込みながら
涙を流して…
それでも、
無理矢理薬を飲ませた俺らを求めてくる…
正直、俺が和に掛けてやれる言葉なんて
一つもなかった…
そして次の日は
薬を飲ませる時間がせまっても、
和は何も口にしなかった…
何とか一口でも食べさせようと
俺たちは説得を続けた。
智「かずー、
今日は玉子いっぱい入れたの作ったよ？」
和「…ごはんない…」
翔「ごはんないじゃないよ？
一口でいいから…食べて？」
今日は、翔にぃが和を後ろから抱きかかえて
俺がスプーンを口もとに運ぶ…
だけど和の口はギュッと
閉じられたまま…
「かず…口あけて？」
しつこく口もとに持っていくと…
和「んー…あっちやって…
ごはん、ない…」
手で押し返そうとする。
翔「かず？
食べないとなくならないよ？
ないってしたいなら、食べよ？」
翔にぃが和の手を押さえて声を掛けたら、
和の目から涙がこぼれた…
和「…いらない。あっちやって…」
スプーンから顔を背けて、拒否を続ける和。
翔にぃも困り果てていた…
翔「雅紀、水だけでも飲ませてやって？
智にぃ、ちょっといい？」
翔にぃは智にぃを連れて部屋から出て行った…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1736人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2012年10月20日 15時
