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［智にぃside］
薬を拒み続ける和…
なんとかしてやりたいけど
そういう訳にもいかない。
翔「かず…嫌でも飲まなきゃダメだよ。
ほら、飲んで？」
翔が薬と水を持って近付くと「やだって…」と
手で押し返した。
翔「かず？どんなに嫌がっても
飲まなくていいよ。とは
言ってあげられないよ？」
和「…智にぃ、やだ…」
俺に助けを求められてもなぁ…
翔「かず、ほら飲んで？」
翔が俯いたままの和の頭を、優しく撫でる…
和「…やだ！絶対飲まないから！」
和はいきなり立ち上がり
リビングを出て行こうとしたけど
雅紀に腕を掴まれた。
和「ばか！離せよ！雅にぃのばか！！」
雅紀は何も言わず、ただ和の手を離さない。
翔「かず、部屋に戻るのは
薬飲んでからな。」
翔も雅紀に参戦し
和は再びソファーに戻される…
翔「かず、どうしても飲まないなら、
にぃ達が飲ませるよ？」
翔の言葉に和はビクッと反応し、
「助けて」とでも言うように
俺の膝に顔を押し付けた。
そんな和を見て、
翔はふぅ〜と大きく息を吐いた…
病院で薬を選ぶとき、翔は悩んでいた。
翔「智にぃ、どうしよう…
またこの薬使わなきゃダメだ…
和、辛いだろうな。頭いいから、
きっと覚えてるよね？」
「必要なら仕方ないよ…可哀相だけど、
頑張ってもらうしかない…」
だけど、翔も俺も、和が薬を拒んで
飲んでくれないとは思っていなかった…
俺らが思っていた以上に、前回の服用で受けた
薬の副作用のダメージは
和にとって大きいものだったのだ…
俺は和の頭を撫でながら、
ゆっくりと和の説得を始めた…
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作者名：空
| 作成日時：2012年10月20日 15時
