好きだ ページ34
爆豪side
いつもAは俺の近くにいた｡
前まで表情の乏しいただの暗いヤツだと思っていたのが、今では俺の前で様々な感情を見せるようになって｡救けなんて要らねぇと何度突き放しても、コイツは俺に歩み寄ってきて｡
.....んとに、うぜぇんだよ｡
コイツが泣くと、どうしようもなく胸が苦しくなる。
コイツが笑うと、頭を撫でて抱きしめてやりたくなる｡
その欲求が一体どの感情から来ているものなのか｡
自分がAに対してどんなことを思っているのか。
それが分からないほど、俺は鈍感じゃねぇ｡
.....俺は、AAが好きだ｡不本意ながら。
無論俺は恋愛なんざただの障害でしかないと思っているし、進展させるつもりも一切ねぇ。
しかしするつもりがないと言っても、自身に影響は少なからず出てくるもんで｡
「今日もありがとうございました、爆豪くん」
俺にベッドに下ろされたAは、やり切ったような声で礼を言った｡週一の習慣である、特訓で動けなくなったコイツを保健室のベッドまで運ぶ作業｡この時間帯はババアもおらず、完全に二人きりだ｡
「今日は何点ですか！」
「50点｡まだまだ動きが威力に反応できてねぇ」
「むー.....先週と5点しか変わらないじゃないですか」
俺は甘口評価は絶対しない｡それに、コイツはセンスがないためどうしても技術が伸びない｡妥当な採点だ｡
不満げに口をとがらせるA｡その表情さえ愛おしく思ってしまう俺は、相当頭がやられてる。
「まぁ、いいです｡いずれ100点満点取って、爆豪くんに『お前がナンバーワンだ』って言わせてやりますから」
「はっ、誰がんなこと言うか。トップは俺だ」
叶うはずのない未来を得意気に語るAに軽く笑いつつ、ほんの少し応援してやった。
「まぁ精々、甘んずることなく精進しろや」
そう言ってAの頭を撫でた｡
頭を撫でてやると、コイツは決まって気持ちよさそうな、幸せそうな表情をする｡だから特訓後には必ずそれを褒美としてしてやっていた｡
.....まぁ、俺がコイツの満たされた顔が見たいからって理由も.....一応.....ある｡
.....クッソ！！ 気色悪ぃ！！
俺に恋愛は向いてないと改めて感じた｡だって、
「爆豪くんに頭を撫でられるの、好きです」
そんなこと、既に分かっている筈だ｡
だが、どうしようもなく胸がむずかゆくなってしまうのだ｡
.....本当に、うぜぇ｡
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匿名希望より - 作者さんリゼロ好きですか？どこか既視感あるなと思いまして (2021年8月12日 2時) (
レス) id: 84a09a672a (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！ こんなに長々と感想を頂けてとても嬉しいです。満足していただけて幸いです！ (2019年5月8日 13時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - とても素敵な作品でした。終始涙が止まらないくらいに感動しました。爆豪勝己というキャラの良さが詰まっていて、満足出来ました。このような素敵な作品を作って下さりありがとうございました。 (2019年5月8日 2時) (レス) id: 0a19bd2b46 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます！確かに話を考えるのは大変ですが、作者の貧相な脳みそで精一杯物語を紡げるよう頑張ります！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも読ませてもらってます！展開が難しいかもしれませんが、更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 0b1ff1fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年4月17日 18時
