13話：不利 ページ17
『は、離して！まだ、まだあそこにかっちゃんがっ！』
「ああ、分かっている。だがあの爆炎では我は近づけない。…よって、他の者に任す！」
『そんな、…ぅわっ！』
「そりゃサンキュー！こっちは消火で手一杯だよ！」
「私二車線以上じゃなきゃムリ〜〜！」
「ベトベトで掴めねえし、良い"個性”の人質の抵抗で地雷原だ！手が出し辛れえ！！」
僕を抱えて飛び上がったヒーローのシンリンカムイに対して他のヒーロー達が次々と声を上げる。
「うえﾞっ！」
《《 BOOOOM！！！》》
「ダメだ！これ解決出来んのは今この場にいねえぞ！」
「誰か有利な"個性”がくるのを待つしかねえ！！」
今までで一番大きな爆発が起き周りにいたヒーロー達が一斉に飛び退く中で、その内の一人が言った言葉に目を見開く。
『だれかって…っ、おろして、ください！』
「駄目だ。大人しくしていなさい」
『あんな苦しいの、ずっと耐えられるはずがないよ！早く、はやく助けにいかなきゃ！！』
体を動かしてなんとかシンリンカムイの腕から抜け出そうと試みるが、ツルのような腕が体にきつく巻き付いてきて抜け出すことができない。
「冷静になるんだ。友達が心配なのは分かるが、今君が行って何になる？あのヴィランに対抗できる"個性"を君は持っているのか？」
『っ、それは…』
「…あの少年を救いたい気持ちは我々も同じだ。しかし、悔しいが今この場にあのヴィランに対抗できる"個性"を持ったものはいない。今我々にできることは有利な"個性"を持つ者が来るまで被害を抑えることなんだ」
「分かってくれ」と言い、シンリンカムイは僕の肩に手を置く。
『……っ、ぅう、』
かっちゃんは僕を助けて捕まってしまったというのに僕は何もすることができない。そう思うと自分が情けなくなり涙が溢れ出てくる。
『…っぐす、ごめﾞんっ、かっちゃん』
僕は、なにもできない。
苦しそうに抵抗しているかっちゃんを見ていられず顔を下に向ける。
ヒーローじゃなくても良い。誰でもいいから、かっちゃんを…
『たす、けて』
「馬鹿ヤローー！！！」
「止まれ！！止まれ！！！」
ヒーローたちの慌てた声にハッとして顔を上げると、かっちゃんとドロドロした奴がいる所に向かって走る人の姿が見えた。その後ろ姿にはとても見覚えがあった。
『い、ずく？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
9ー太 - らる@盃さん» 返信遅れてすみません！そう言ってもらえてとても嬉しいです(*´ﾌ｀*)更新頑張ります！ (2018年4月24日 0時) (
レス) id: 370afa76e6 (このIDを非表示/違反報告)
らる@盃(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新頑張ってください！ (2018年4月22日 18時) (レス) id: 0f8ed7e297 (このIDを非表示/違反報告)
9ー太 - すごく嫌な奴になってるけど作者はかっちゃんのこと大好きです。 (2018年1月21日 22時) (レス) id: d97fd822cc (このIDを非表示/違反報告)
9ー太 - 幼少時代の男主はかっちゃんのこと大好き。 (2018年1月16日 0時) (レス) id: d97fd822cc (このIDを非表示/違反報告)
9ー太 - 甘いかっちゃんはいない(今のとこ) (2018年1月9日 18時) (レス) id: d97fd822cc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：9ー太 | 作成日時：2018年1月8日 22時
