少女、ヒーロー興味なし【ヒロアカ】 (ページ9)

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約束通り最寄駅まで爆豪くんから送ってもらうと、彼は「明日、来いよ」とだけ言って今来た道を戻っていく。逆方向なのにわざわざ送ってくれたのは久しぶりにあった幼馴染への気まぐれだろう

ポケットに手を入れてがに股で歩いていく彼の後ろ姿を見送ってから、最寄駅から家を目指して歩き出す。

しかし、困ったことになった。

私は、というか皆そうだと思うけれど、基本的に交わした約束は守る人なのだが、爆豪くんが一方的に取り付けた"明日学校へ行く"というものは些か気乗りがしない。

『(でも、あんな顔初めて見た)』

苦しそうに、人には言えない何かを耐えるような表情を、彼はしていた。自分が学校に行かないことが原因でそのような表情をさせていたのなら、これは行くしかない。人助けだと思えばなんてことないのだ

それにそろそろ一回くらいは登校しておこうと考えてた時期なので、ちょうどいいという理由もある。

あとは、幼馴染に久しぶりに会おうと思ったから

『……幼馴染(ばくごうくん)も私も、気まぐれな奴だな』

ふ、と勝手に緩んだ口元を隠すように少し俯けば、いつのまにか長くなっている髪が頬を擦った。

そうだ、相澤さんから髪切ってもらおう