少女、ヒーロー興味なし【ヒロアカ】 (ページ5)

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夕方。

夕日が高々と浮かび上がる時間帯に、玄関が開いて「ただいま」と小さな声と共に同居人が帰ってきた。私はリビングから「おかえりなさい」と顔を出しながら、彼を見る。いつも通りの真っ黒さだ

「悪いな遅くなって。今夕飯作ってやる」

『大丈夫、遅くなってないですよ。むしろいつもより早いです』

ぽんっと私の頭に手を乗せる同居人こと＿相澤消太。雄英高校の教師で、メディア嫌いのプロヒーロー。

何で彼と同居しているのかは面倒なので省かせてもらう。いつか彼が話してくれることを信じよう。

『あ、そうだ相澤さん、ゼリー冷蔵庫のなかです』

早くもキッチンへと消えた彼に声をかければ「あぁ」と返事が返ってきた後、小さくだが冷蔵庫を開ける音がした。大方冷蔵庫にちゃんとあるかどうか確認したんだろうけど。

相澤さんは炊飯器のボタンを押すとそのまま此方へやって来るが、途中にあるゴミ箱の中をみてため息をついた。そして私の座っているソファの隣に腰を下ろす。

「また昼はカロリーメイトか」

『相澤さんもゼリーですよね』

「俺は大人だからいいんだよ。お前は成長期なんだか、しっかり食べろ」

『…相澤さん私のお父さんですか』

「……もう父親みてぇなもんだ」

確かに、と心の中で頷いた。

"あの日"、間違いなく私の手を一番に取ったのは相澤さんで、その時からずっと育ててくれてるのも相澤さん。ほんとに父親みたいなものだね