沈黙、正論 ページ41
「…………」
長い沈黙。
話すべきことは終えたし、弁解ももう何もない。
だけど2人は下を向いたり首を掻いたりして何も話さない。
………どうしよう。
冷や汗が背中を流れるのを感じる。
私がしたいこと、やるべきことを通してしまったけど、これは嵐のみんなにも社長にも話していないことだったし
言うべきだったかもしれない。
今になって後悔したってもう遅い。
「………、話はわかったよ」
先に口を開いたのは櫻井さん。
「どうして黙ってた？なんで一言相談もなかった？」
冷たくはないけれど、ため息まじりの声。
「……言えば反対されるかもしれないと思いましたし、無謀だと止められるとも思いました。
でも私が唯一出来ることだと考えて……」
「それはさ、多分言われれば大賛成はしなかったと思うよ」
私の言葉を遮るように入ってきた二宮さんは、まだ私と目が合わない。
どこでもなく、宙を見ながら話す。
「だけどさ……なんて言うか。
言うべきだったかな。
同じグループとして、仲間としてこれから頑張っていかなきゃいけない俺らとしては、言って欲しかったかな」
「………すみませんでした」
正論。ど正論。
ぐうの音も出ないその言葉に、私は返す言葉が見つからない。
「その分じゃ社長にも言ってないんだろ？」
「……はい」
「言わない方がいいんじゃない？今更」
「……そうだろうな」
櫻井さんと二宮さんが目を合わせながら小声で話すその様に、余所者感を感じてしまうのは完全に私の勝手。
「………とにかく。
これからはそういう事は相談してからすること。
そして、無理はしない。
今回のは、完全にお前の突っ走り。無理しすぎ。
結論を急ぎすぎ。」
櫻井さんの嗜めるような言葉に、はい、と小さく返して頭を下げてその会はお開き。
送ってくよと言われたけど、大丈夫ですと断ってマンションを出た。
「気をつけてね」
下まで送ってくれたのは二宮さん。
「すみませんでした」
最後にもう一度頭を下げると、困ったように眉毛を下げて、だけど微笑んでくれた。
「大丈夫。Aは約束を守る子だもん。
これからはこんなことしないでしょ？」
「はい。もう2度としません！」
力強く返すと、いつもの柔らかい笑顔。
「……俺らはさ、Aに何かあったら心配もするし、今日みたいに怒るよ。
でも、それは嫌いなんじゃなくて大切だから、だからね。」
優しい、いつもの二宮さんだった。
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ちぃ(プロフ) - おかえりなさい！長らく更新されてなかったので半分諦めつつも、素敵なお話しなので登録解除も出来ずにいましたが… 戻ってきて下さってありがとうございます！ 退職万歳＼(^o^)／ (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 038f602d6e (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 初コメです！hiroさん戻ってきてくださって嬉しいです！！あと、退職おめでとうございます笑笑 お話の続き、楽しみにしております。気長に待っておりますので、ご自身のペースで更新なさってください！ (2021年9月20日 1時) (レス) id: c72bd2a0fb (このIDを非表示/違反報告)
∞横山あらしちゃん∞(プロフ) - 初めまして。この作品が大好き過ぎてずっと待っていました(´；ω；｀) これからも楽しみにしております！！ (2021年9月16日 23時) (レス) id: b6736fcc7a (このIDを非表示/違反報告)
ほしにゃあ(プロフ) - ここで更新終わりなのでしょうか…？続きが気になってしまいました…！主人公ちゃんの成長を見守りたいてす！ (2020年12月29日 3時) (レス) id: 5991f59eda (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - かずなさん» ひー！！！さっそく戻ってきていただけるなんて……………ありがとうございます(ToT) (2020年1月14日 19時) (レス) id: fea287eb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hiro
| 作成日時：2019年7月19日 9時
