約束 ページ16
｢………じゃあさ、｣
外が白み始めて
ああもうすぐ朝なんだって思った頃。
彼女たちの要望を飲めない私
そんな私に怒りをぶつける彼女たち
そんな平行線だった話し合いに差し込んだ一筋の光。
｢ウチラに誓ってよ｣
ずっと先頭で仕切っていた女の子が私に向けて放った約束ごと。
｢楽屋は絶対に分けて。
収録とか仕事以外で一緒にいないで｣
…………そんなわがまま私からスタッフさんにお願いできるんだろうか
｢………やってみます｣
やってみますじゃなくてやるんだよ、って総攻撃を受けるけど
こればっかりは私の一存ではうなずけない。
｢次。
絶対にパフォーマンスで足を引っ張らないで｣
｢…もちろんです｣
これはすぐに即答できる。
ごもっともだ。
｢さいご。
もし嵐の誰かとのスキャンダルが出たら、
─────死んで？｣
…………………
………
真剣な眼差し。
冗談ではない。
笑ってない。
｢………それがデマでも、ですか｣
｢デマかどうかなんてどうとでも言えるでしょ｣
……………頷いてあげたい。
そんなことになれば彼女たちの誰かが逆にそうなってしまうかもしれない。
だけど私は……………
｢……………それはできません｣
｢っ、は、｣
｢そういう可能性があるって意味ではなくて、｣
伝わってほしい。
だからざわつく空気がおさまるまで待った。
｢……………私がそんなことをして悲しむのは、
あなたたちが大好きな彼らだから｣
私はこの人たちの"憧れ"を守りたい。
｢私のことを好きじゃなくたって
一度家族になった人が死ぬなんて
あの人たちが何とも思わない訳ないから｣
だってあなたたちが好きな彼らはそういう人たちでしょ？
心の優しい、家族思いな人たちでしょ？
私の心からの訴えが伝わったのか黙りこむ彼女たちに少し安心する。
伝わったかな、大丈夫かな、
────その直後に出された代替案
｢じゃあ、死ななくていい。
嵐を辞めて｣
──────辞める。
それこそ私だけの考えで頷くことはできなくて
結局事務所に伝えます。しか言えなかった。
……………初めてファンの人たちと対峙したその日、
途切れることなく繰り返された罵詈雑言。
朝まで続いたその時間は、
私の気づかないところで私を静かに蝕んでいた。
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みか - 大丈夫ですよー！めっちゃ面白い！ (2019年7月18日 22時) (
レス) id: 5656ab29cf (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - 美来さん» お返事遅くなりすみません(T△T)！あああ、楽しみにしてくださってるのに亀更新で申し訳ないです(T△T)(T△T)見捨てないで……(T△T) (2019年7月18日 21時) (レス) id: fea287eb7e (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - みかさん» お返事遅くなりすみません(T△T)！励みになります……がんばります！ (2019年7月18日 21時) (レス) id: fea287eb7e (このIDを非表示/違反報告)
美来(プロフ) - いつも読ませていただいてます！毎日の更新を楽しみに、その日1日生きてます！笑 応援しています、頑張ってください\( ´ω` )/ (2019年7月14日 1時) (レス) id: 2e446e9c80 (このIDを非表示/違反報告)
みか - わかりやすくて楽しい！ (2019年7月12日 18時) (レス) id: 5656ab29cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hiro
| 作成日時：2019年7月6日 10時
