Sho-Renの従妹 (ページ10)

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紫耀からもうすぐ着くと連絡が来て、病院の入り口のところで待っていると目の前にタクシーが止まった。

紫耀「A！！ママは？！ママっ…ママぁ…」

タクシーから降りるなりママを連呼して私に駆け寄ってくる紫耀。

その目は既に赤く、泣いていたんだろうなっていうのは一瞬で分かった。

「しょう…」

私はまた溢れそうになる涙を堪えた。

「あのね、さっき検査終わって、手術しなきゃだけど、手術したら治るって…。ごめんね…私言うタイミング間違えた…」

今ママが病気になったって知ったら紫耀は東京に行くのを辞めちゃうかもしれない。

もしかしたらお父さんがすぐに紫耀に連絡しなかったのはこの事もあったからなのかな…。

紫耀「手術？なんで？なんでママ手術するの？」

もう18歳なのに幼稚園児みたいに聞いてくる紫耀。

私は紫耀の手を握って歩き出した。

「脳腫瘍…。でも良性だから手術したら治るって言ってた…。」

紫耀「俺が東京行くなんて言い出したからだ…。」

「え？」

紫耀「Aだって本当は東京行くの嫌でしょ？友達とも離れるし、都会だし…。」

「しょう…どうしたの…？」

紫耀の手は震えていて、少しでも力を入れて握り返したら壊れてしまいそうだった。

紫耀「俺やっぱ東京行くの辞める。ジャニーズも…辞めよっかな…」

「まって…！何でそうなるの…」

紫耀「だってママが病気で手術するんだよ？！俺だけ１人で呑気に舞台やってられる訳ないやん！！」

そう言って繋いでいた手は振り払われた。

紫耀の目からは大粒の涙が溢れている。

「そんなの…手術やって治るんだからいいやん！！
治す術が無くて死んでいく人は一杯いるんだよ！！
…私のママとパパみたいにっ…！あの時だって、助かる選択肢なんて無かったんだから！！」

紫耀「っ……」