14.愛してる ページ15
.
誰にも愛されたことなんて無かった俺に、他人の愛し方なんて知るハズもない。
コイツを救えれば、俺はどうなったっていいって本気で思ってたハズなんだ。
なのに、コイツは俺の元へ落ちてきた。
いや違う。俺がコイツを自分の元へ引きずり込んだんだ。
”忘れんな!!俺は三途春千夜だ!!”
俺はコイツを救いたいんじゃない。
俺と一緒に、地獄へ落ちてほしかったんだ。
絶望の日々の中で出逢い、コイツとなら一緒に逝けると思ったんだ。
”ガンダーラ”
あの曲を初めて聴いたとき、俺は思った。ガンダーラとは、あの世の世界のことだと。
あの日リュックに居れたナイフは、アイツと二人で其処へ行くため。
マイキー「三途、どういうことだ。」
拳銃を向けたマイキーから守るようにソイツを強く抱きしめ、覆いかぶさる。
マイキー「お前ごと撃つぞ。」
俺達が望んでいた未来は、こんな未来か？
今ならはっきりとわかる。目の前のコイツを守りたいと思ったのも、一緒に地獄へ落ちようと思ったのも
ぜんぶぜんぶ
目の前のコイツを愛しているから
ヒトの愛し方なんて、愛されたことのない俺には分からない。
けれど、これがきっとこれが俺なりの”愛している”
『お兄ちゃん…？』
俺を見上げる目の前のコイツが、愛おしくてたまらない。
”生きていてほしい”
これが最後だ。
俺はゆっくり、ソイツの頭を撫でる。
「マイキー」
マイキー「何だ」
「俺は、どんな罰も受ける。殺してくれたっていい。でも…コイツは、コイツだけは殺さないでくれ。」
ぎゅっと抱き寄せ、後ろで拳銃を向けているマイキーに伝える。
「コイツを、愛してるんだ。」
オトナを恨んでいた俺が、オトナになった。
一緒に死にたいと思っていた愛しい人を、自分の命に代えてでも守りたいと思えるほどに、オトナになったのだ。
「頼むマイキー。コイツだけは、駄目なんだ。お願いだ。」
まさか俺が誰かの為に命乞いをするなんて、思ってもいなかった。
万「…わかった。三途がそこまで言うんだったら好きにしろ」
九井「おいマイキー！？正気か！？」
竜胆「…意味わかんねぇ。」
鶴蝶「三途、だよな？」
.
現場が騒然とする中、マイキーは拳銃を下した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 252人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りお - とっても刺さる素敵な作品でした(;o;)春千夜にも夢主にもガンダーラで幸せになってもらいたいと思いましたT^T (2021年10月31日 1時) (
レス) @page17 id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
れいん(プロフ) - 寝る前に読んでみたら 一つ一つの言葉が凄く刺さって 涙出ました (2021年10月31日 0時) (レス) @page16 id: 817f921072 (このIDを非表示/違反報告)
Ibibubu(プロフ) - 本当に作者様の書いた作品が凄く好きで、素敵な作品をありがとうございます (2021年10月29日 23時) (レス) @page18 id: 9aefec9a34 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - すごいな、これ… (2021年10月29日 1時) (レス) @page18 id: 0e789b8f74 (このIDを非表示/違反報告)
不夜城・レイス(プロフ) - 一行一行が凄い感動しました(泣) これからも応援してます！ (2021年10月28日 19時) (レス) @page12 id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：平
| 作成日時：2021年10月24日 21時
