今と未来の幸せと、変えられない不幸な昔 ページ45
コンコンガララッ
ノックはしたが、声もかけず返事も聞かず中へ入った
あァ?別にいつも通りだ
「ノックしろとは言ったがほぼ意味が成されてないんだが、総悟」
あれからAに何もせずAの部屋で布団に寝かせた
さすがの俺もけが人に手は出さねェ
「おいクソ方」
Aはさっき俺に言った
「来週の総出の任務の前日は_________」
『私は全然大丈夫なんかじゃなかった…独りの寂しさをもう知ってしまったから…』
少しは俺もAに何かしてやりてェ
なんでAが俺に幸せかどうかなんて聞いてきたのかは分からねェが、結局Aの答えは聞けてねェ
そんな俺がAの為に出来ること
今度俺から聞いた時には、Aが迷わず幸せだとこたえてくれるように…
「…お願いしやす、副長」
気に食わねェヤツにでも頭の一つや二つ下げてやらァ
Aとの話を通して成長したそんな俺にだって、少しはこたえてくれてもいいんじゃねェか?鬼の副長さんよォ…
。
ひまだなぁ…
総悟さんに有無を言わせさず布団に入れられ、その総悟さんもどこかに行ってしまった
もうちょっとお話したかった…
ただでさえ広い部屋の中に1人になって寂しさが芽生える
ワガママだとは分かってるけど…
「誰か…」
その「誰か」にさえ届くことも無い声が静かに部屋の空気に溶ける
私は天井から目を外してテーブルの方へとやった
そこには、あの日から変わらず置かれたまんまの風呂敷が乗っている
あの中身を見たら、皆は私ともう一緒にいてはくれないのかな
総悟さんも土方さんも銀時さんも皆も、アイツらみたいに私の事を軽蔑するのかな…
……そんなの…悲しいよ…
せっかく私…変われたのに…
初めて誰かと仲良くなれたのに…
私には幸せを掴む事は許されないのか
今までの事を考えればそれが普通だ
何で目を背けていたんだろう
本当は分かっていたはずなのに、分かっていなければいけなかったのに
でも……
そんな事になる位なら…この生活を手放す事になる位なら……
私は、どんな事だってしてみせよう
例えそれが誰かの血で染まるような事であったとしても。
。
「江戸の町も久しぶりだな」
「そうね、元気にしてるかしら」
「まさかアイツが真選組で働いてるたぁなぁ…
今までとは真逆じゃねぇか」
「でも案外そうでもないかもよ?だって…
あの真選組の奴ら「も」人を殺してるんだから___」
江戸に響くいつかの鈴音____
読者様へ(たまに中身が変わります)→←慣れない事はするもんじゃない………けど、たまにはいいもんだね
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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時