into you ３ (ページ40)

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聡「あ！お疲れさまでした！」

涼「聡くん！
今回はオファー受けてもらって、ありがとうございました！」

黒いフィルムが貼ってあるから、車の外からは中の様子が見えていないみたいで……

私の存在には気付いてないみたいだ。

心臓の音が煩すぎて……
話の内容が頭に入って来ない……。

隼の上着の裾をギュッて握ると肩を抱かれ、そのまま膝へと寝かされる。

隼の膝にしがみつくようにデニムを握ったら、優しく頭を撫でてくれて……

手の温かさが、私に大丈夫だよって言ってくれてるみたいだ…。

聡「また呼んでください！」

聡の声の後、お疲れさまでした…って龍友さんや片寄さんの声がしてから車のドアが閉まり、動き出したけど………

……隼の膝から体を起こす事ができない。

隼「……涼太くん。
あの人…ジェネの現場では、もう呼ばないでもらっていい？」

涼「ん…わかった」

隼の低い声の後で、片寄さんの静かな声。

挨拶の後、最後に乗り込んだ片寄さんには、私が隠れるように隼の膝にくっついていたのがわかったはずで…

それでも、何も言わず…何も聞かずにいてくれる。