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清掃中だった車両の扉が開き、佐野さんや白濱さんにも宥められた隼くんがグリーン車の中へと押し込まれた。
隼くんがブツブツ言う声を聞きながら、私も自分が乗る車両へと移動して乗り込むと、席を探して座った。
…あぁ…そういえば………
バッグは自分で持ってきたけど、スマホも財布も隼くんに預けたままだ…。
お茶でも買おうかと思ったけど……
しょうがない……2時間くらいだし、我慢しよう……と思ってたら、隣に座るヘアメイクさんが何も持っていない私を心配してペットボトルを一本分けてくれた。
お茶と水と両方買ってたから……って。
『すみません…
ありがとうございます……』
「あと……ハイ!」
ヘアメイクのヨウコさんが私の手に乗せたのは、いろんな種類のおやつ。
「お腹空くよね?」
メイクルームとケータリングコーナーにあった物をバッグに入れて持ってきたんだって。
『…あ………』
タイミング良くなったお腹に、私の顔は思いきり熱くなった。
…たぶん……耳まで真っ赤なはず………
「やば……!
私、いい仕事したね?」
ヨウコさんがクスクス笑ってくれて……
笑ってもらえて気が楽になった。
…逆になぐさめられても…ね?

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作者名:ひな | 作成日時:2024年9月11日 19時