守られることになりました。【な組】

【第1話】 ページ4

(ななもりside)

俺は嫌な夢を見ていた。

パァン！！という腹に響く破裂音がうるさく鳴り響き、その弾が当たり、俺は足を負傷する。

その後もその音は鳴り続ける。

やがて俺達な組のメンバーが立てなくなるまで撃たれ続け、俺達も、引き金を引ける限りそれに抵抗する。

そして。

両組共、総長同士が残った。

俺達含め、敵側のメンバーも、総長以外は倒れ込んでしまっていて、立ち上がれない状態にあった。

最強同士の、一対一の争い。

俺はその光景を、かろうじて動かせた瞳を向け、見ていた。

総長が何かを言った。何を言ったかは意識もぼやけていて聞こえなかったが、微かに口が動いたのが見えた。

そして、パァン！！と再び銃声が鳴った。

そしてそのすぐ後に、敵側の総長の脳天辺りから血が吹き出した。

俺はその時、自分達が勝ったのだ、という喜びのあまり、安心して眠ってしまうのだ。

何度かこの夢を見ていても、未だに錯覚してしまうくらい、その時は嬉しかった。

ずっと争い続けてきた敵に、やっと勝てたと思ったから。

その時の俺は、総長が痛そうに腹部を抑えていたのを知らなかったから。

そして、その手が真っ赤に染まっていた事を知らなかったから。

何度も何度もこの夢を見て、俺は何度も何度も、後悔を繰り返すんだ。

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