【第12話】 ページ15
(Aside)
「どれにしよっかなー…。」
なんて小さく呟き、うーんとしばし悩んでから、自販機のボタンをポチッと押す。
ゴトン、と勢いよく落とされたコーラを取り出し、私は校舎裏にある小さな段差に腰掛けた。
そしてすぐに、さとみ君が隣に腰掛ける。
さとみ君が寝不足だという事で校舎裏のスペースを紹介するついでに少し休憩しよう、と思いここに来たのだが、座ったら座ったでどことなく気まずい空気が流れる。
特に話す内容も見つからず、沈黙が息苦しくて私はコーラの入ったペットボトルのキャップを開けた。
シュッ、と炭酸の弾ける音が鳴る。
私はコーラをごくごくと喉に流し込んだ。
さ「こんなスペースがあるんだな。」
さとみ君が言った。
「うん、よくここでサボってる人とかいるよ?」
私がそう言うと、さとみ君は、ははっと笑う。
さ「確かにサボんのには最適かもなー。」
そう言って、手に持っているジュースに口をつけた。
最初に見た時から思っていたけど、さとみ君って顔整ってんなぁ。
ぼーっとそんな事を思いながら、私はペットボトルのキャップを閉めた。
…というか、今日転校してきた六人共、全員顔整ってた気がする。
まぁそんなにちゃんと見てないから分かんないけど。
そんな事を考えていると、さとみ君は、ふぅ、と息をつき、ジュースを置いた。
また沈黙が流れ、再び気まずい空気が訪れる。
私は何とかして気まずい空気を破ろうと、少しだけ気になっていた事をさとみ君に聞くことにした。
「あのさ、今日さとみ君含めて六人も転校してきたじゃん?その人達とはなんも関わりとかないの?」
六人も一気に転校してくるだなんて、普通なら滅多にないだろう。
同じ日に同じ学校に、六人が一緒に転校する、なんて。
何か関係性があるのかなぁ。
私はそう思ったので興味本位で聞いただけなのだが、さとみ君は少し目を泳がせた。
さ「あー、うん、関わりはないよ?俺もびっくりしたしw」
さとみ君は直ぐにいつもの調子を取り戻し、そう言って笑った。
「そうなんだ…。すごい偶然だね。」
ホントホント!wとさとみ君は笑った。
へぇー、と、私は特に気にすることもなく、もう一度コーラを飲んだ。
その後結局数分間ほど話をして、さとみ君と少し仲が深まった気がした。
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くりボッチ - 続き気になるので頑張ってください!!無理しないでくださいねヽ(´ー` )ノ (2021年8月2日 19時) (レス) id: 7d59f0ef3f (このIDを非表示/違反報告)
赤猫君。(プロフ) - ひなさん» 続き気になる...更新楽しみにしてますよ!!!応援します! (2019年10月13日 22時) (レス) id: 8740c32d82 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - すごい面白いですね 次の更新も楽しみに待っています (2019年9月16日 21時) (レス) id: 8a1a177507 (このIDを非表示/違反報告)
運子 - 何でこんなに面白いんですか?え?何で?何でだよオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙。。。スイマセン (2019年7月30日 0時) (レス) id: 794c83e2e4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん丸 - え????おもろい( ゚д゚)更新がんばってくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁい! (2019年7月26日 18時) (レス) id: bd2dd5a67e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひな | 作成日時:2019年4月22日 16時