俺にできること、忘れる努力を始めること 紫side ページ43
撮影が進み、思っていたよりも人物像もつかめていたので、
監督や周囲の俳優さんからも特に苦言を呈されることなく
順調なことに安心していた。
「れんー」
「どうしたんすか、ふっかさん」
「俺、大丈夫そう？」
「まぁ、評判はいいと思いますよ。
俺もそんなに絡みがある役どころじゃないですけど、
やりやすいですし」
「そっか……」
「ちゃんと結果につながると思いますよ」
そう言われると、ちょっとだけ安心する。
他の人じゃ、忖度されて言われる大丈夫なのか、
本当に大丈夫なのか
分からない部分も大きい気がしているから、
どうしても言葉を信用しきれない。
「見てもらえるかなぁ……」
「ふっかさんが言ってた、大事な人にですか」
「……うん」
「惚れ直すんじゃないすか」
「……まぁ、ちょっとは俺で良かったって思ってもらえたら、
それでいいや」
「佐久間くんもそろそろ撮影に加わる時期ですし、
まぁ、画面は華やかになりますよ。大丈夫です」
「あいつの存在感は明るくて華やかだからな」
「俺も食われないように気を付けます」
「なぁに、そんなこと思ってないくせに」
「まぁ、俺も本気で頑張りたい作品ではあるんで」
「そっか……Aの作品だもんな」
「あれ？ふっかさん、さんづけじゃなかったでしたっけ」
「あぁ、つい、つけ忘れた」
「珍しいっすね、
まぁ、あの人はなしやすいんで分からなくもないですけど」
「え、やきもち？」
「軽い嫉妬です」
「えっ！？変わらなくない！？」
「大事なんで」
「そっかぁ、ほんと、大事にしてんだな」
撮影が終わったら、彼女に一度連絡をしてお礼を言って。
それで終わりにしなくちゃいけないかもしれない。
そうやって、ちゃんと”終わり”にしたら、
頑張れば……俺も忘れられるのかもしれない。
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ひな(プロフ) - ビルスさん、ありがとうございます！初コメント、感想を頂けて嬉しいです！メインがふっかさんなので、やっぱりそこのご要望は汲んで行けたらと思ってます！ありがとうございます！ (2023年2月8日 10時) (
レス) id: d3c82ded38 (このIDを非表示/違反報告)
ビルス(プロフ) - こんにちは。読ませていただいてます。でも最後はふっかと戻ってほしいです。願望… (2023年2月8日 7時) (レス) id: e2c763f4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2023年2月7日 13時
