浮気 ページ29
「会ってないあいだ、何、してたの？」
まるで昨日別れたばかりのように、簡単に聞いてくる彼。
なんて答えることが正しいのか、考えて。
「普通に、頑張って生きてた」
「そっか」
「辰哉くんは？」
「俺は……忘れられなくて。でもどうしようもなかったから、
ちょっとだけ寂しかった」
「でも、ちゃんと大事な人、出来たんでしょ？」
「なんで？」
「いや、なんとなく」
「好きな人は……居る」
まっすぐにこちらを見てくる辰哉くんが、なんで私を見かけて
わざわざ連れ帰ったのか。
何の話があるのか分からなかったけど。
「辰哉くん、ちゃんと大事にできる人だもんね」
「まぁ……モテはするけどね」
「ふふふ」
「ねぇ、抱きしめてもいい？」
「え？」
「触れたい」
「でも……」
好きな人が居るのに、なんでそんなこと？って思ったけど。
あぁ、簡単には近づけないような。そんな人を好きになったのかなって。
離れている間に彼の匂いも、温もりも、全部ちゃんと忘れられたと
思っていたのに。
懐かしくて。
そっと彼の腕の中に体を預ける。
「やっぱりちっちゃいのね」
「うるさい」
「でも俺は好き」
「そう言ってたよね」
「ちょっとぷにぷにしてるとこも、いい」
「それは余計」
「ははっ……彼氏、やきもち妬いたりしないの？」
「たぶん、めちゃくちゃ心配してると思う」
「蓮は、浮気を許すタイプじゃないもんね」
そう言って抱きしめる力を強くした辰哉くんが、
どこまで理解して、
どこまで知っていて、
どこまで……怒っているのか分からないくらいに
強い力だったから、そのまま何も言えなかった。
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ひな(プロフ) - ビルスさん、ありがとうございます！初コメント、感想を頂けて嬉しいです！メインがふっかさんなので、やっぱりそこのご要望は汲んで行けたらと思ってます！ありがとうございます！ (2023年2月8日 10時) (
レス) id: d3c82ded38 (このIDを非表示/違反報告)
ビルス(プロフ) - こんにちは。読ませていただいてます。でも最後はふっかと戻ってほしいです。願望… (2023年2月8日 7時) (レス) id: e2c763f4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2023年2月7日 13時
