お風呂じゃんけん ページ12
じりじりと距離を詰める俺と逃げるA。
もう面倒だからさんづけはやめて、呼び捨てにしたのに、
気づくことなくさらっと受け入れてくれたのは、
距離が近づいた証拠みたいで嬉しかった。
ちゃんと耳が少し赤くなってたから、
意識されてないわけじゃないことも、確認済だ。
「ねぇ、A。ご飯食べてからじゃんけんしよう」
「そうだね、とりあえず蓮も疲れてるだろうし……」
「で、俺が勝ったら一緒にお風呂ね。
あいこだったらキスね。負けたら何もしない」
「微妙にあいこが一番、ハードル高いのは何で……」
「なんかあいこって一番出にくい気がする」
「確かに」
Aと俺はなにかあると、
公平にじゃんけんで決めようって言うことが多くて。
そのせいか何回もじゃんけんするけど、
気が合うのか合わないのか、
ほとんどあいこにはならない。
「じゃ。せっかくのご飯、頂きますか」
「シチューなんだけど……
ちょっとスープ系の方が食べやすいかなって」
「お、嬉しい。まぁ、Aが作ってくれたご飯はぶっちゃけなんでも大体嬉しい」
「大体、っていうところが正直だよね……」
「まぁ、何出されても食べるけど」
「失敗してても？」
「失敗したの出されたことないけど、まぁ、食べると思うよ」
「じゃあ、蓮が苦手なものだったらどうするの？」
「Aが作ってくれただけで、多分食べられる」
「アレルギーとかじゃないなら、それはそれで嬉しいんだろうけど。
でもなるべく好きなものを作ってあげたいとは思うかも」
大きいから後ろから抱きしめると、
身長差でアンバランスになるけど。
でも少しでも彼女に触れていたくて。
つい、ぎゅっとしてしまう。
「じゃあ、食べたらじゃんけんね」
と言って、キッチンに向かう彼女が
するりと腕を抜け出していったけど、
未だにそれだけで顔を赤くしてくれるのは
嬉しいとちょっとだけ思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 241人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひな(プロフ) - ビルスさん、ありがとうございます！初コメント、感想を頂けて嬉しいです！メインがふっかさんなので、やっぱりそこのご要望は汲んで行けたらと思ってます！ありがとうございます！ (2023年2月8日 10時) (
レス) id: d3c82ded38 (このIDを非表示/違反報告)
ビルス(プロフ) - こんにちは。読ませていただいてます。でも最後はふっかと戻ってほしいです。願望… (2023年2月8日 7時) (レス) id: e2c763f4f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひな | 作成日時：2023年2月7日 13時
