気持ちに蓋をして ページ36
結局、締め切り前で
これと言った買い物にも出られず。
仕事も繁忙期だということもあって、
お誕生日ケーキくらいしか
用意が出来ないまま、
ご飯はUberで頼むことにした。
心ばかりのローストビーフと
クリームシチューだけは作れたけれど、
これもちょっと添えるくらいで良いだろう。
「送ってもらった地図の場所、
たぶん15分くらいで着けると思います。
エントランスで部屋番号、押しますね」
「了解しました。ありがとうございます。
本当に、期待しないでくださいね。
ごはんも結局ほとんどUberだし」
「俺が時間作ってもらった立場なんで、
むしろ色々と段取りしてもらってすいません」
と目黒さんとのやり取りは早い。
相変わらずレスポンスの速さにびっくりする。
たまに誤字もなくはないけれど、
意味が通じないほどのものはないので、
困ったことはない。
「会えるの、めっちゃ楽しみだったので嬉しいです」
「作品については結構お話したと思うんですけど」
「俺が今、話したいのは作品とは別のことなんで」
「そうなんですね。お役に立てるかはわかりませんが、
お待ちしてます」
彼が来るのを待っていると、辰哉くんからのメッセージ。
「今日も仕事終わったので、
また夜にでもメッセージ送っていいですか？
出来れば電話とかでも……」
「ごめんなさい。今日は友人が来るので、
メッセージのお返事は遅くなりそうです。
電話もちょっと難しいかも」
「了解です。ありがとうございます！楽しんでくださいね！
お返事は明日でも大丈夫です」
さくっと返ってきた返事に
ちょっとだけ複雑な気持ちになる。
今まではメッセージだけだったやりとりも、
初めて電話したいと言われたけれど。
変に断るよりも理由があってよかった。
(私だって知らなくても、
私の誕生日だってことくらいは
思い出してくれてたらいいのにな)
聞くことのできない辰哉くんの気持ちと、
自分の気持ちを見なかったことにして。
スマホを伏せると、
ちょうどインターホンが鳴って
目黒さんが来たことを告げた。
本当はちょっとどころじゃなかった気持ちを揺らして→←浮かれているのは誰のせい 黄side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 350人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひな(プロフ) - きらさん» きらさん、教えて下さりありがとうございます！スマホで更新した際に触れてしまったようです。解除しました！ (2023年2月3日 11時) (
レス) id: d3c82ded38 (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - オリ.フラ立ってますよ！違反報告されてしまう前に解除お願いします (2023年2月3日 10時) (レス) id: 0df082814a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひな | 作成日時：2023年2月1日 17時
