検索窓
今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:114,290 hit

百六十八話 面影 ページ9

突然の出来事に、私は抵抗する事を忘れてしまった。

A「………っ……月夜さん…………ん…んんっ。」

月夜「君のその首…直ぐに折れちゃいそうだね…。」

私の耳をペロリと舐め上げ、耳元で囁いた。

月夜「可哀想なAちゃん…。愛する人にも会えなくなって、こんなに怖い思いまでして………。」

愛する人____。
それはきっと涼真の事だろう。

A「あの、気になってたんですけど…………」

私が今一番聞きたい事………………

A「月夜さんは……………」


そう言って私は月夜さんの顔を見た。
彼の顔をこんなに近くで直視したのは初めてかもしれない。

その顔を見て




私の心臓は止まりそうになった。



月夜さんは



月狂にとてもよく似ていた。

くせっ毛な黒髪と泣きぼくろは違うが

その美しい顔は

月狂にとても良く似ていた______。


A「_______ッ!!!い…やあああああああああああああああああああああああああああああッ!」

月夜さんの胸を、私はつき飛ばそうとするがビクともしない。

月夜「………!?どうしたんだ………!?」

私のただならぬ様子に、先程まで余裕そうな素振りを見せていた月夜さんは焦りだした。

A「………っ…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…月狂………。」

その名を口にした瞬間

月夜さんの表情が急に曇りだした。

月夜「……………俺が、月狂に似てるのかい………?」

それは恐れるような口調だった。

私は目を逸らしながら、ゆっくりと頷いた。


月夜「…………………………そうか、ごめんね。」


どうして彼が謝るのだろう。
彼が謝る事なんて何もないのに。

月夜「だって」




「俺と月狂は兄弟なんだから。」


その言葉は、私の思考を止めてしまった。

百六十九話 お兄ちゃんがいるよ→←百六十七話 君を生けられたら…



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (89 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
212人がお気に入り
設定タグ:ヤンデレ , 狂愛 , 名前変換オリジナル   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

日名無 りん(プロフ) - NZMさん» ありがとうございます!!!!綺麗なんて……!!!光栄です!!! (2019年12月3日 23時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
NZM(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても綺麗な作品だなと思いました! (2019年12月2日 23時) (レス) id: 13f970b2f4 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - まりもさん» それは本当に良かったです!皆様のお陰様で無事完結を迎えられました! (2019年7月27日 21時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - ヤンデレ系は苦手なのですが、これは続きが気になるほど面白かったです。完結、おめでとうございます! (2019年7月27日 14時) (レス) id: 6b2aac275b (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 日名無 りんさん» マジか衝動でここまで描けるのすごい (2019年7月25日 15時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年6月21日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。