骨の髄まで愛されて＿歪な愛の形＿

百八十三話 久しぶりだね ページ24

目の前で來夜が弾きとんだ。
そして、血も＿＿＿＿＿。

來夜「ぐあああっ！！」

倒れ込んだ來夜は、血が流れ出る左足を抑えた。
ぽっかりと空いた黒い穴。
そこから流れ出る血＿＿＿＿。


その傷を、私は見た事があった。

「やっと俺の前に出てきたのか。この害虫が。」

後ろから聞こえる悪魔の声に、私は文字通り、凍りついた＿＿＿＿。

くくっと笑い声をあげた。

月狂「ほら、A。こっちに戻っておいで？君の事を世界で一番愛せるのは、俺だけなんだから。」

カチャカチャとピストルらしき音が聞こえる。

大丈夫。私は悪魔なんかに惑わされたりしない。

すると月夜さんが、月狂に近寄った。
その目は充血していた。

月夜「……久しぶりだね月狂。」

月夜さんの声はとても穏やかで、優しい声だった。
それはたった一人の大切な弟にやっと出会えた喜びが込められていた。

月夜さんはきっと月狂の事を誰よりも思っているはずだ。
私にはその声と、表情で充分に伝わった。



＿＿＿＿＿だけど



月狂「………誰だよお前。」


攻撃的な声に乗せられた残酷な言葉は


月夜さんの心に深く突き刺さっただろう。

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