百七十九話 守られてばかりで ページ20
來夜「A!」
振り返る間もなく、私の知っている声とキンモクセイの香り。
私を抱き締めていたのは、ずぶ濡れになった來夜だった。
A「來夜…………何処に行ってたの?」
來夜「網戸が外れかかってて、直すのに手間取ってたんだ。やっと直して戻ったら、お前が居なくて探し回ってたんだ。」
良く見たら、服は泥だらけだった。
…彼を探していたつもりが探されていたのは私だったのか。
A「……迷惑かけてごめんなさい……。」
しかし何故か、強い安心感が湧き上がった。
來夜「………もう、いい。無事にいてくれたならそれで………。」
より一層私を強く抱き締める來夜。
私達の頭上には、凄まじい風と雨が吹き荒れていた。
ゴロゴロと遠くから音が唸る。
來夜「雷も鳴り始めている。とにかく早く戻るぞ。」
私は來夜の服を掴みながら、彼の後ろについて行った。
………來夜には、いつも守られていた。
だけど……………
今日は激しい雷雨。
そう言えば、來夜に閉じ込められたあの日も雨だったな。
複雑な山道を進んでいると、木の根に足を引っ掛け、私の身体は斜面を転げ落ちた。
來夜「……ッ………!!Aッッッ!!」
來夜が手を伸ばした。
だけど、私には彼の手を取る余裕が無かった。
そのまま私は、落ちた_____。
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日名無 りん(プロフ) - NZMさん» ありがとうございます!!!!綺麗なんて……!!!光栄です!!! (2019年12月3日 23時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
NZM(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても綺麗な作品だなと思いました! (2019年12月2日 23時) (レス) id: 13f970b2f4 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - まりもさん» それは本当に良かったです!皆様のお陰様で無事完結を迎えられました! (2019年7月27日 21時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
まりも - ヤンデレ系は苦手なのですが、これは続きが気になるほど面白かったです。完結、おめでとうございます! (2019年7月27日 14時) (レス) id: 6b2aac275b (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 日名無 りんさん» マジか衝動でここまで描けるのすごい (2019年7月25日 15時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年6月21日 18時