百四十八話 キャスト ページ29
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真由美「月狂の…お兄さん。」
真由美は暫く唖然として、その相手を見つめていた。
現実離れした美しさを持つ彼は彫刻や蝋人形と言った方が現実的だ。
月夜「ま、あいつは俺の存在なんて、知らないだろうね。」
「だって俺はあの夜逃げたんだもの。」
にやり。
月夜は妖しく笑いながら肩を揺らした。
真由美「なら、どうしてここに戻ってきたの…？」
口元を緩めたまま月夜はこう綴った。
月夜「教え子と弟の物語を眺めにきたんだ。」
風の音がさっきよりくっきりと聞こえた。たいして強い風でもないのに、それは不思議なくらい鮮かな軌跡を残して真由美のまわりを吹き抜けていった。
月夜はくるりとステップを踏むように真由美から背を向けた。
月夜「勿論、俺や君もこの物語の登場人物なんだよ。」
真由美「さっきから何を……………」
月夜は、もう一度だけ振り返ると、硝子玉の様に温度のない瞳を真由美へ向けた。
月夜「君はキャストに選ばれた。でも主人公にはなれない。だけどきっと大いに楽しめるんじゃないかな？」
ふははは、と不気味に笑うと月夜は歩きさって行った。
真由美は言葉を失ったまま唖然と立ちすくしていた。
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lkwisterven - ここまで一気読みしたけどヤンデレ怖い (2019年7月24日 12時) (
レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - 瑞貴(siera)さん» わわっ！ありがとうございます！完結まで頑張ります！ (2019年6月21日 18時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
瑞貴(siera) - いつも閲覧させてもらっています！！楽しみで仕方なくてドキドキしてます！！これからも更新頑張ってください！！ (2019年6月21日 17時) (レス) id: e176c72e2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日名無 りん | 作成日時：2019年6月8日 18時
