百四十二話 その感情の名は ページ23
鎖がジャラリ、ジャラリと金属音をたてた。
月狂「だからこれからも一生、自分は人間の唱えるその感情を理解出来るはずがないとも思ったし、理解しようとも思わなかった。」
"そんな時にね"
そこで彼は私の目を見た。
絡み合った私と彼の目線。
ふっ、とどんな名画よりも美しく、心打たれる程の微笑を、彼はそのひとつの芸術品とも言える貌に、貼り付けた。
月狂「Aに出会ったんだ。」
心の底から幸福を感じるような、そんな声だった。
A「私……?」
月狂「そう。君に出会って、俺は漸く解ったんだ。」
"愛という感情が"
彼の瞳はキラキラと、どんな宝石よりも輝いて見えた。
今、月狂は何を見ているのだろうか。
彼の目には、この世界がどんな風に見えているのか。
私には全く理解出来ない。
月狂「俺は何も望みはしなかった。だけど君に出会って、初めてどんな犠牲を出そうとも、手に入れたいものが出来た。…………だからA。」
彼の手が私の首元に差し掛かった。
"もう二度と、逃げないでね"
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lkwisterven - ここまで一気読みしたけどヤンデレ怖い (2019年7月24日 12時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - 瑞貴(siera)さん» わわっ!ありがとうございます!完結まで頑張ります! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
瑞貴(siera) - いつも閲覧させてもらっています!!楽しみで仕方なくてドキドキしてます!!これからも更新頑張ってください!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: e176c72e2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年6月8日 18時