百四十一話 愛なんてものは ページ22
するりと私の頬に柔らかい感触が伝わった。
彼の白くて綺麗な手が私の頬を撫でている。
月狂「……Aはとても綺麗で、頭も良くて、女神様みたいに綺麗だよ。」
優しい微笑みを浮かべながら、優しく優しく
まるで触れてしまったら直ぐに壊れてしまうものを触るかのように、私の頬を撫でた。
その温もりと優しさは、かつて私が好きだったものだ。
月狂「…君に出会うまではね、俺の人生は、塵芥以下だったんだ。」
A「……。」
月狂「この世界に色なんて見えなくて、全てが灰色に被さって見えて………。俺は理解出来なかったんだ。周りの人間が言う、『愛』っていうのが。」
頬を優しく撫でている手はするすると下がっていき、私の首に付けられた赤い首輪の金具へと移った。
月狂「俺はずっと思ってた。愛なんてものは存在しない。弱い人間が勝手に創り出した幻想に過ぎないってね。」
首筋を謎っている指に落としていた目線は、私へと向けられた。
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lkwisterven - ここまで一気読みしたけどヤンデレ怖い (2019年7月24日 12時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - 瑞貴(siera)さん» わわっ!ありがとうございます!完結まで頑張ります! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
瑞貴(siera) - いつも閲覧させてもらっています!!楽しみで仕方なくてドキドキしてます!!これからも更新頑張ってください!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: e176c72e2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年6月8日 18時