蝶達の運ぶメモリアル

1.my elder sister ページ2

他者から観た僕の家庭とは、どの様に映っているのだろうか。

身内と云う贔屓目無しに見ても美しい姉。
料理や手芸が好きで、絵に書いたような優しい母。
義理ではあるが大企業の大役を勤める父。

そして……………



超人的な頭脳を持つ、男性とは思えない程に美しい『義理兄』。


こんな『家族』に囲まれている僕を、周りは口を揃えてこう云うのだ。





とても幸せだね、と____





普通より裕福な、何不自由無い暮らし。
一見、何の変哲も無い幸せな家庭だと思うのだ。


でも……………この家は………僕の家族は…………
僕の麗しい姉は……………………




「A、愛してるよ。」

「今日もAは可愛いね。」

「何処の馬の骨だか解らない物がAの胎内に入るなんて、耐えられないよ。」

「Aは何もしなくて良いの。全部お兄ちゃんがしてあげるから。」




恐ろしい化け物に支配されている







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