依存性12 ページ14
敦「……落ち着きましたか?」
A「………はい。」
私が落ち着くまで、中島さんは何も云わずに待っていてくれた。
敦「良かったあ。」
中島さんは顏に安堵の色を浮かべる。
その笑顔は、見る人に好印象を與えるものだ。
A「すみません…。私、人気に慣れていなくて……。」
敦「い、いえそんな!謝らないでください!」
中島さんは両手を顏の前で往復した。
龍之介は良く、外の人は皆悪い人達ばかりだと云うけれど、中島さんは違うのだろうか。
A「あまり外に出なくて……。あれは、人間の川です…。」
敦「何か用事でもあったんですか?」
中島さんが私の顏を覗き込む。
A「はい、実は大切な人にサプライズをしたくて……。」
サプライズなんてした事もされた事も無い私は自分で話していて何だか不思議な気持ちに陥った。
敦「そうなんですね!だったら、僕も手伝いましょうか?」
華が咲いたように明るい声を出した中島さんの声に、漸く私の視線が上がる。
A「そんな……!悪いですよ…。」
然し私の心はこの時、確かに高鳴っていた。
昂る感情が、自然と表情に出てしまいそうな程に。
敦「でも、僕が出来る範囲で……ですが街の案内も出来ますよ。」
中島さんの屈託の無い笑顔は、慣れない外の世界へ出た私には
とても輝かしく観えた。
A「じゃあ……すみません、お願いします。」
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琴葉ちゃま - なんかこれ見てたら私も芥川に依存されたいなあって思いました。あととても面白かったです!続きかいてほしい (2023年2月25日 21時) (レス) @page16 id: cbdf318171 (このIDを非表示/違反報告)
dream(プロフ) - はじめまして!依存してるやつがれ可愛すぎて最高です…! (2023年1月12日 16時) (レス) id: 341cfb323f (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - ア、等々龍と虎が闘うのか。 (2021年1月15日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - もう如何なっても良いや、エイ! (2021年1月15日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - だよな。甘いのは。甘過ぎるのは一寸…だね…。 (2021年1月15日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2020年2月17日 23時