六話 醜い王子 ページ6
月狂「ふふっ、あははっあははははっ。」
薄暗い地下倉庫に響く乾いた笑い声。
其れは紛れもなく自分の声だった。
「……月狂君……一体どういうつも……ぎっ！」
呻く豚の声。
何と醜いものなのか。
月狂「さぁ、先生。答えてくださいよ。どうしてAにあんなに馴れ馴れしく話しかけたんです？」
ランプのみの光でも判る、鮮血の紅。
そして俺の右手には、鮮血が付着したペンチ。
月狂「答えないだけ、先生の指が無くなりますよ。」
先程までに行われた、両手足の爪を剥ぐだけで裂くような悲鳴をあげるのだから、指を引きちぎったら、どんな
月狂「ひとーつ。」
ぷつん、と細い糸が切れるかのように、呆気なく引きちぎれた右手の人差し指。
そこからは傷口を隠すかの如く溢れ出る鮮血。
愉しい。
月狂「ふたーつ。」
何て愉しいのだろう。
月狂「みーっつ。」
この浮世に『色』なんて感じないけれど。
自分がこの世に存在していると感じられないけれど。
月狂「よーっつ。」
この時ばかりは俺は此処に居るのだと実感出来る。
月狂「いつーつ。」
汚い虫だけれど…………
「ぎゃあぁぁあああぁぁぁああああ！！！！」
素敵な音楽を奏でてくれるよね。
Aには劣るけれど…綺麗な曲だ。
ショパンの円舞曲なんかより、ずっとずっと綺麗。
月狂「あー、あまり身体を捩るとその椅子の針が身体に食い込みますよ。」
特別に造られたその椅子には、あらゆる箇所に針が施されている。
「…………ぐっ…ぎ……。」
月狂「中世ヨーロッパで使われていた拷問器具なんですけどね。頼めば簡単に作ってくれましたよ。」
椅子に設けられているベルトを更に緩めてみる。
「………………。」
気絶でもしているのか、俯いたまま言葉を発さない害虫。
月狂「あのー？聞いてますかー？」
「………………。」
月狂「聞いてんのかつってんだろ。」
声を荒らげて頬を乱雑に叩いてみても、相手は微塵も動かない。
月狂「…まあいいや。そうだ。この審問椅子の温度をあげてみましょうか。」
どうしてこんな事をするのか。
なんの為にこんな悲惨な拷問を行うのか。
誰の為なのか。
答えは簡単だよ。
A。
全て君の為だよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 131人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
日名無 りん(プロフ) - 芥川ありすさん» 歌詞を調べてみたんですが、これまた狂愛！！！どストライクです、、、！主人公の女の子はとっても美人さんなので、狙ってる男子も多いんですが月狂により全員あの世行きのパスポートです、、、 (2020年3月17日 22時) (
レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
芥川ありす(プロフ) - どうも♪りんちゃん♪ラルクのTaste of loveの歌詞をネットで検索して見て欲しいけど。この歌詞よりもあぶないキャラ？白い肌の美人の女性ならハイドさんと、お付き合いできそう(なんでやんねん) (2020年3月17日 0時) (レス) id: 60b339fb2a (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - lkwistervenさん» はい、月狂と夢主ちゃんが付き合うまでの過程です！ (2019年8月24日 13時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - これは月狂のside？ (2019年8月24日 9時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：日名無 りん | 作成日時：2019年8月13日 16時
