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「でも先ずは何からすればいいんだろう…?」
やっぱり最初は何かきっかけを作って………
ぐるぐると思考を働かせている私の頭に、梨沙ちゃんの言葉が甦った。
『西川昌暉先輩…かな』
梨沙ちゃんは、入学前から西川先輩を知っていたのかな。
もしかしたら二人は、初等部の頃に知り合っていたのかもしれない。
中等部からの入学である私には解らない話だ。
「やっぱり先ずは話しかけるからスタートかな。」
薄暗い図書室に私の声が溶けた直後
「なぁーにしてるの?」
聞き覚えのある声が耳を掠めた。
「っ!」
私の傍らに置かれた本が、何者かの手にひょいと取り上げられる。
「本当、本の虫だねえ、君は。」
クスクスと笑みを漏らして本をぱらぱらと捲るその人は…
「西川先輩…。」
「こんにちは、Aさん。」
にっこり。
優美に微笑む直ぐ隣にいる人は、まるで童話の世界から飛び出してきた王子そのものだ。
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日名無 りん(プロフ) - 彩華さん» ありがとうございます嬉しみが深いです泣泣 (2019年7月25日 20時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - りんさんのヤンデレ作品大好きです (2019年7月25日 19時) (レス) id: e94a41b362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日名無 りん | 作成日時:2019年4月27日 20時