骨の髄まで愛してるーヤンデレ彼氏の行き過ぎた愛ー

四十二話 その温もりに ページ44

月狂視点



俺の腕の中で子犬のように眠るAはすやすやと寝息をたてている。

ぎゅうっと抱き締める。



今、俺だけが彼女を独り占めできている。
世界でただ一人、俺だけが彼女を見つめる事が、触れる事が出来る。

ああ、このままAと一つになれたらなあ、


あああ、愛おしい

俺の全て







私は夢で物語を見ていた。


朝、起きたらミツルが駆け寄ってきて、朝ごはんを食べて、学校に行く。


友達と楽しくおしゃべりをして……


あ………




学校に行かなきゃ。




夢の中から現実に戻ってきた私は“現実”を知らされる。


月狂「おはよう。A」



にっこりと微笑む。


「………おはよう。」




これが現実。



…………恐怖しかない。



月狂「朝ごはんは何がいい？」

彼の口もとに微笑が、日にかがやいている出水のように湧き上がる。
艶やかに微笑む。


「………え、と……特に食べたいものとかは、ない……よ」

ぎこちなく言うと彼は「そうか」といい部屋を出ていく。



思った。
彼は私に酷く、異常な程執着している。

彼の家族や交友関係について、私は何も知らない。

彼からその事を聞かされた事は無い。





彼には、まだ私の知らない所ばかりあった。

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