ヒラ《はつでーと・前編》＊ ページ37
今日は花火大会の日。
一緒に行こうって約束してたのは、ヒラ。
カップルになってからは、初めてのお出かけ。
だから今日の私はちょっと気合が入っている。
いつもより念入りに髪を巻いて、
彼の好きそうなナチュラルメイクをする。
浴衣は今日の為に買ったおろしたて。
出る前に笑顔の練習をして、アパートの扉を開けた。
外に出たところで、スマホに通知が届いた。
ヒラからだった。
【ヒラ：駅着いたけど、もう少しかかりそう？】
……まずい。ひっじょお〜にまずい。
気合を入れすぎたあまり、待ち合わせ時間に間に合わなくなりそうだ。
通知のメッセージに目を見開いた私は、浴衣姿で駅まで全力疾走した。
下駄の鼻緒が足の親指と人差し指の間に食いこんで痛かった。
「はぁ、ヒラ、ごめ……」
「Aっ……ちょ、大丈夫？」
一旦落ち着いて、とヒラが私の背中をさすってくれる。付き合う前と同じくらい優しい感触に安心した。
「うん、ごめんね……」
荒くなった息を整え、やっとの事で彼に謝った。
だが、そんなことは気にも留めていないように笑いかけられる。
「いいのいいの。むしろ既読つかなかったから心配したよ。無事ならよかった」
それから、と笑顔のまま付け足される。
「その浴衣、超似合ってる」
「っ！？あ、ありがと……？」
驚きながら返すと、彼はくすくすと可愛らしく笑った。そういうとこ、本当にあざとい。
「それじゃ、行こ？」
それだけ言ってから、彼は「ん」と手を差し出す。
まだ思考が追いつかずフリーズしていると、彼は私の手を取って繋いだ。
「何ぼーっとしてんの。変なA」
「な……変じゃないしっ！！」
ムキになって言い返せば、また笑われた。
なんか腹立つなぁ、こいつ……
そんな苛立ちとは裏腹に、内心嬉しさ半分恥ずかしさ半分という乙女そのものの感情に蝕まれていた。
「はいはい。さっさと行こ」
「無視！？」
なんか、ヒラって掴みどころがないというか、何考えてるかわからないって言うか……そんなことを、私の手を引く彼の横顔を見ながら思う。
会場までは電車で一本だった。
会場に着くと、もう花火大会は始まっていた。
「あ、もう始まってんじゃん」
「ごめん、私のせいだ……」
罪悪感に顔を引き攣らせると、ヒラは私の方を見て首を傾げた。
「え、なんで？別にAのせいじゃないでしょ」
後編に続きます→
(切り方下手)
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まりな - すごく面白かったです！ ネタなんですが、お互いがお互いを助けようとして過去に戻り、すれ違う。的なお話が個人的には面白そうだなぁと、思っています！ できればキヨさん推しなのでキヨさんがいいです！←めっちゃ失礼してる気がする。… 長文失礼しました！ (2019年9月17日 22時) (
レス) id: 09dc9c6a8c (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香 - みねさん» 本当にありがとうございます…！こーすけさんのネタ切れが激しかったのでマジで助かりました！ありがとうございます！書き方クッソ下手ですけど許してください)^o^( (2019年7月16日 22時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - 緋奈香さん» どうぞどうぞ！むしろうちの案は作者様のものとして扱って下さいな笑 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香(プロフ) - みねさん» なるほど！めっちゃいいですね、そのネタお借りします(^^) (2019年7月16日 21時) (レス) id: 2a8fba13b5 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - こーすけと一緒にバイキングに行ってみた 的な？やつです笑 どっちが多く食べれるかなど競ったり〜みたいなって思ってます！ (2019年7月16日 6時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋奈香 | 作成日時：2019年7月12日 16時
