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紫side ページ46

「おつかれしたー」

仕事が終わり、時間がちょっと空いたからスタジオに練習に行こうかなと思ってマネージャーに行き先を伝える。
確か、安が今日はスタジオに篭もるって言ってたから居るはず。

安には今日心配かけてもうたし、夜ご飯でも奢ったるか。
そんなことを考えながら安に言われたことを思い出す。


『迷惑なんて、横ちょは思ってはらへんよ』


そんなことはわかってる。
ヨコは優しいから、多分本当なら誰よりも自分を頼って欲しいと思ってるはず。
じゃないと、あんな突拍子もないことなんかせぇへん。
俺はため息を吐きそうになるのを我慢して息を飲み込む。


『なんで俺はいつまでもお前の中でそんな対応やねん!!なんで俺には頼ってくれへんねん!!なんで弱いところもっと見せてくれへんねん!!!すばるの前やった……ら…………』


すばるはわかってくれてたから、俺の事を。
けど、ヨコは知らんやん?
俺の汚い部分も醜い部分も。
やから、見せられへんのよ。

ヨコは俺にとっての全てで、原点で。
所謂神様じゃないけど、それぐらいの存在に近い。


『ヒナちゃんには俺が居るからな』


そうやって傍に居てくれたJr時代の話。
洗脳されるかのようにヨコは俺を守ってくれた。
泣き虫やと呼ばれてた俺を大人から離すように、可愛い可愛いと籠の中で愛され続けた俺はいつしか良くないものを抱え始めた。



その感情に一番に気づいたのは俺自身やなくて、すばるやった。



すばるは俺とヨコの間を取り持ってくれるように介入してくれた。
きっとすばるが居らんかったら、今頃俺とヨコの関係は最悪なものになってたと思う。

やからこそ、俺はすばるにしか吐き出せへんモノがあった。
すばるは幼馴染として受け止めてくれた。
あの時のすばるはメンバーなんかじゃなかった。

昔から仲のいい幼馴染として、俺を見てくれていた。



『ヒナ』

『ん?』

『ヨコに、伝えんでええの?』

『…………言えへんよ。きみくんには俺はお荷物になるから』

『そうか』



何度も繰り返した会話。
それはデビューしてからでもよくあった会話。
でも、やり取りは昔と変わらず。



『ヒナ』

『ん?』

『ヨコにはまだ言わんのか?』

『言わんよ。ヨコには迷惑かけられへん』

『…………そうか』



すばるは悲しそうに笑ってた。
Jrの頃はそんな笑顔じゃなかったのに。
俺はすばるの心理もヨコの心理もわからへん。


結局、俺はみんなのお荷物になってたんやと思った。

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設定タグ:関ジャニ∞ , ほほえみ , 橙黄   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ひなまる | 作成日時:2022年6月27日 17時

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