罰ゲーム (ページ41)

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黄side ページ41

『亮ちゃんが居らんくなった後の丸のこと何にも知らんくせに』

大倉の言葉がずっと頭の中で木霊する。
俺はそれが鬱陶しくて、頭をガシガシと掻き毟る。

知らんに決まってるやん。
会わんようにしてたし、連絡も自然と消えていってんから。

『丸のこと苦しめたないねん』

まるで俺が丸のこと苦しめてたみたいやん。
いや、多少は苦しめたんかもしれへん。
でも、丸は二つ返事で俺の答えを受け入れてんで？
少しも嫌がった素振り見せずに。
それに傷ついたんは、自分勝手かもしれやんけど、俺やってんから。

『亮ちゃんはもう俺らと“同じ枠組み”じゃないねんから、これ以上関わるんやめてや』

…………その言葉が、一番心にくるわ。

俺はあれから何とか家に帰って、痛む腰や関節を労りながら眠りについた。
目が覚めて朝になってもずっと記憶に残ってるのは大倉との会話やった。

まず、大倉が俺と丸のことを知ってることが驚きや。
丸が相談とかするようには思わんかったから、意外やった。
ってか、なんで相談相手が大倉やねん。
絶対横山くんとか村上くんの方が…………。

「…………ないな、うん、ないわ」

一人で自分にツッコミを入れ、ため息をこぼした。

「ってか、ほんまに……なんで大倉があんなに必死に…………」

考えついた答えは、あんまり考えたくない内容やった。
でも、昨日の大倉の瞳は、確実に俺を敵意を向けていた。
やから、どうしても、そう考えてしまう。

「大倉……まさか、丸のこと…………」

ない話ではない。
でも、有り得へんと思ってた。
何となく、大倉には、章ちゃんが居ると思ってたから。
2人の絆は章ちゃんと同い年で仲の良い俺でも、ずっと3人一緒の丸でも、お兄ちゃんをしてる横山くんでも、お母さん的存在の村上くんでも、章ちゃんの相方のようなすばるくんでも入られへんものがあった。

大倉が時折見せる章ちゃんへの独占欲。
章ちゃんが見せる大倉への愛情。
特別でしかない2人の絆。

それをずっと見てきたから、有り得へん話やと思ってる。

けど、昨日の大倉の様子を見てたら

「好きなん、かな…………」

そういう風にしか捉えられへんかった。

何度目かのため息と共にこぼれた涙の粒。

あれから、丸からの連絡は来てない。
いや、正確には来てたけど無視してる。
やから、丸もそれ以上は送って来てない。

「…………丸、何考えてんの？」

溢れた言葉に返事はなく、静寂だけが俺を包み込む。