罰ゲーム (ページ14)

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青side ページ14

「えっ？丸が？」

「うん、いや、なんとなくそう思って………」

ライブの打ち合わせ前。
大倉がずっと難しい顔をしてたから、声をかけてみた。
最初は“なんもないよ”の一点張りやってんけど、徐々に口を開き始めてくれた。

「別に悪いことじゃないけど、ただ何か、いつもと違うように感じて………」

「それが、亮に関係あるってこと？」

「丸ちゃんには否定されたけどな」

「でも、俺も渋やんと会ったり連絡も取ってるし……｡亮と一番に連絡取りそうなんも丸やん？だから、別にそれが事実でも悪いことではないと思わん？」

「悪いとかそういう事やなくて………」

大倉は多分、亮と丸が会ってることを疑ってるわけじゃない。
そのことに対して怒ったりもしないやろうし、別の理由があることは分かってる。

でも、それは多分まだ言えへん内容なんやろうな。

「大倉」

「ん？」

「丸も大人やし、俺らはもう絶対離れへん絆で結ばれてる。やから、何も心配ないで？絶対18祭も成功する」

「………そうやと、俺も思ってる」

「何より、大倉プロデューサーには絶大な信頼があるんでね！！」

「そんな弄りすんなや」

大倉が口を大きく開けてやっと笑った。
みんなが幸せになる、あの笑い声が響く。

大倉は笑っててほしい。
それだけでみんなが幸せになるし、力に変わっていくから。
なんの不安もなく、そのままの大倉でいて欲しい。

「ヤス」

「ん？」

「ありがとう」

「俺は何もしてないよ」

大倉が笑ってくれるなら、それでええんよ。
俺の為に涙を流してくれて、ずっと傍に居てくれて、見守って支えてくれた大倉。
今度は俺が大倉を支えたい。

横ちょにはヒナちゃんが居る。
ヒナちゃんにも横ちょが居る。
俺には大倉が居てくれた。
だから、大倉にも俺がずっと居る。

丸は、そんな俺らをニコニコと見守ってくれてた。

丸には、誰が居てくれんのやろ？
もちろん俺らはずっと居る。

けど、あの頃の丸の傍に居たんは、きっと俺らじゃない。

「大倉」

「なに？」

「丸が今幸せになってくれることが、一番やな」

「………そやな」

その事に口出ししてしまえば、崩れていきそうやから。
俺は大倉と一緒に無言を貫く。

大倉の知ってる丸のことを俺は知らんけど、何となく分かりそうやから。

今は、このままが良いってやつやから。