五条悟は庵ちゃんが気に入らない

最悪な出会い ページ8

七「＿＿＿あ、来たみたいです」


七海くんの一言で私達の談笑は止まる。


灰「夏油先輩！おはようございます！」



どうやら灰原君は夏油先輩に随分懐いているようだ。


人懐っこい笑顔を浮かべ夏油先輩へ駆け寄る姿は可愛らしい犬を連想させた。



夏「おはよう、灰原。君たちは初めましてだね」


不意に向けられた視線に七海君と私は反応する。



七「初めまして。1年の七海健人です、よろしくお願いします」


家「へぇ、なかなかイケメンじゃん。ハーフ？」


七「母方の祖母がデンマーク人です。」



家「ほー……すげ。んで、Aは久しぶり。」



『お久しぶりです、硝子さん。息災でしたか？』



家「息災息災。身長伸びたねー！また可愛くなったんじゃない？」



『い、いえ。そんなことは……あ、自己紹介がまだでしたね』



私と硝子さんの会話を大人しく聞いていた夏油さん達に向き直る。


『庵Aと言います。よろしくお願いします』


七海君よりも簡潔な自己紹介を済ませ頭を下げる



夏「硝子から話は聞いてるよ。庵先輩の妹なんだってね。確かに面影ある…」


『そうですか？あまり似てないと言われるのですが……』



夏「話で聞いていた通り可愛いね。」



『えっ……』


家「おい。狙ってんのか？」


五「……」



私の顔に熱が集まるのが分かる


異性の男性に可愛いなどと言われたのは初めてなので冗談なのかも分からず口ごもってしまう。


夏「あぁ、ごめんね。でも可愛いと思ったのは本当だよ。」


『あ、ありがとうございます……。可愛いなんて硝子さんか姉様にしか言われたことがないのでなんだか恥ずかしいです……』



五「姉様？もしかして歌姫のこと？」


『……？はい。』


五「ウケる。あいつ姉様なんて呼ばれてんだ。」


『……五条さんは姉様と仲がよろしいのですか？』


五「さぁ？まぁでも歌姫って性格が可愛くないからなー。気強いじゃん？昔からああなの？」


なんだろう。姉様を見下しているような感じが妙に引っかかる。


『……知りません。少なくとも私には優しいです』



五「何怒ってんの？大好きなねぇさま悪く言われて拗ねてんのか？」



家「小学生か。やめとけ」


『五条さん。あなた失礼という言葉を知っていますか？姉を侮辱されて気分が悪いです。』






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