痛いのは嫌いだけど他の人が痛いのはもっと嫌い ページ32
「ノゼルさんこの人……人？達全然倒れないんですけどどうやって倒しました！？」
「簡単だ。再生が追いつかない程に壊せば良い」
「それだ」
たまたま会ったノゼルさんと共闘中ですやっほい。めちゃくちゃ敵に囲まれてます。ぜんっぜん減らねぇぇぇぇぇ！！！と思ったけどアドバイス通りにやったらあっという間にいなくなった。やったねたえちゃん敵がゴミのようだよ！
「そろそろ中心部行きましょう、音が凄いです」
「そうだな」
移動用魔法を展開しようとした時、ノゼルさんの後ろに人影が。倒し損ねた奴か？ただ立っているだけの敵のだらりと垂れ下がった腕を見ると、小振りなナイフを持っていた。何をする気だ？
そいつがいきなり走り出した。あ、そうか。魔法じゃないからノゼルさんが気付かないんだ。考えたなテロリストめ。
そいつとノゼルさんの距離は約１mにも満たない。でも、私の魔法の速度なら、間に合う。
ばっ、と魔法で強化した足で地面を駆ける。瞬時に敵とノゼルさんの間に滑り込む。その時にはナイフと私の距離は針の先程しか無くて、
テロリストは一瞬、驚いて目を見開き、
そして、私の腹に、それを突き刺した。
ずくり、と重く響く痛み。でも、ノゼルさんは無事だ。良かった。私よりノゼルさんの方がより多くの人を救える。
「っ、セタ！！」
「だい…じょう、ぶです。それよ、り」
早く、アイツを、と言うが速いか、鋭く冷たい水銀が敵を貫いた。
「貴様…私を庇うなんて馬鹿な真似をするな……！」
そんなことしなくても私は大丈夫だ、と悔しそうに顔を歪めるノゼルさん。そんな顔しないで。私がやりたくてやったことだから。悪いのは敵を倒し損ねた私ですよ。
でも、言えなかった。口から、鉄の味がする真っ赤な液体が溢れ出す。ごぼごぼと、喉が嫌な音を立てる。言葉が血に飲み込まれた。
お腹じゃなくて、肺らへんかな、刺されたのは。なんてぼんやり考えているが、だんだん頭も回らなくなってきた。
寒い、寒い、さむい。薄れ行く意識の中、ふわりと浮かぶ身体。ああ、死んじゃうのかな、と思い、力を振り絞って、周りを見ると、ノゼルさんが、私を抱き抱えていた。
すみません、ありがとうございます、そう言いたいのに、口が動かない。
治ったら、きちんとお礼を言わないとなあ…と思ったのを最後に、私は、意識を手放した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユナイテッド - リクエストです。ユリウス様のカッコいい一面がみたいです！あと、激甘で！ (2019年2月26日 15時) (
レス) id: dde7d1d0e3 (このIDを非表示/違反報告)
なてぃ(プロフ) - スイカさん» 了解しました！気長にお待ち頂けるとありがたいです… (2018年11月20日 17時) (レス) id: 69e5ebb9f9 (このIDを非表示/違反報告)
スイカ - リクエストしたいです!ランギルスデートで、お願いします(>_<) (2018年11月20日 16時) (レス) id: ef7c238cbc (このIDを非表示/違反報告)
なてぃ(プロフ) - ルーさん» 了解しました！頑張ります！ (2018年11月11日 23時) (レス) id: 69e5ebb9f9 (このIDを非表示/違反報告)
ルー(プロフ) - ワンピース？やったー！！読みたいでっす！！私はペロスペローさんが大好きなので、彼推しでお願いします (2018年11月11日 22時) (レス) id: bdc5cefa28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なてぃ | 作成日時：2018年10月1日 15時
