#85 ページ47
…ん？
総統室の椅子に座り、窓の外を見ると空は綺麗な朱色になっていた。
歩き疲れてここで眠っていた様だ。
寝起きだが頭は働く。
と言うか、あれだけ寝ていたのにまだ寝ることが出来る自分に驚いた。
歩くのも疲れた。
誰かが来るまでここにいよう、そう思っていた矢先、
扉が開いた。
tn「すまん…全然見つからへん…。アイツカメラの死角に居るのかもしらん…」
俺は今椅子を回し、入口には背を向けている。
この声はトントン…そして俺をグルッペンだと思って話しかけているな。
話の内容はよく分からないが。
少し驚かせるか。
俺は喉を整えてグルッペンに似た声を出す。
『そうか。ソイツはこの国を出て行ったのかもしれないな』
適当に話を合わせる。
tn「そうなんやろか…」
明らかに落ち込んだ声を出してトントンがこちらに近づいてくる。
この反応…バレてなさそうだ。
俺の反応は食い違っていないらしい。
俺の喉も健在だ。
tn「なぁグルさん」
トントンが外を見たまま俺の隣に立った。
こっちを見てくれないかな。
驚いた顔が見たい。
tn「Aがカメラにも映らん所で倒れてたらどないしよ…」
え…
その言葉に驚く。
『…今俺ここにいるんだけど』
思わず素の声が出た。
俺の声を聞くなり、トントンはこちらを向き目を見開いた。
tn「ホンマにAやんな…？」
トントンは俺の顔をベタベタと触る。
『まぁな。俺の予測は外れた様だ。俺は死なずに、
目を覚ましてしまったらしい』
トントンは顔を伏せてしまった。
そして無言で俺を包む。
tn「ホンマ…心配させんなやぁ！A…！」
重いし、涙で肩が濡れた。
だがトントンの涙に水を差すのは申し訳ないと思ったので黙っていた。
トントンが耳を抑える。
tn「みんな、A見つかったで。総統室に居ったわ…」
『トントン、俺にも使わせてくれ』
そう言うとトントンはインカムを取り、俺に渡す。
『俺のせいで不安を煽いでしまったようだな。
すまなかった。だがもう安心してくれ。
＿＿＿＿A=クラウディ、今、帰った』
そう言うとインカムは音割れ。
俺の鼓膜は破れるかと思った。
15分後には皆が総統室に集まっていた。
そんな中グルッペンが俺に近づく。
gr「＿＿時間がかかり過ぎじゃないか？」
鼻につく言い方だが、今日は許してやろう。
『任務完遂だ。文句を言うな』
そう言った俺は笑っていた。
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りと - お疲れ様です！何と言ってもあの話が…と言いたいところですが何故か一番好きなのは作者様の敬語でユニークなことを言ってる時ですかね…(何だこいつ)兎にも角にも、楽しませて戴きました！面白い作品を世に放って下さり有難う御座います！！ (7月24日 9時) (
レス) @page50 id: ffe5a6a019 (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - わんぱんさん» そういうことです！読んでいただきありがとうございました！ (2020年11月22日 20時) (レス) id: 328f3541a2 (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん(プロフ) - ああああ！！！61とか紛れ込んでると思ってたがそういう事か！すごい面白かったです！感動しました！素敵な作品ありがとうございました！ (2020年11月20日 7時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます…！ (2020年4月23日 19時) (レス) id: 328f3541a2 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - お疲れ様です。とても感動しました。 (2020年4月22日 14時) (レス) id: 4d71c550a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さささ | 作成日時：2020年3月18日 8時
