#80 ページ42
ひとらんには刀の稽古をつけてもらった。
精神とか、心得とか。
俺には無縁だったことばかりだったが、新しい事を吸収すれば強くなれると思って励んだ。
…案外厳しいものだった。
動物に嫌われる俺を見兼ねて、嫌われない接し方を教えてくれた。
今度ヒヨコに触らせてくれるらしい。
鬱先生は慰めてくれと俺に泣きついて来た。
実は鬱先生が女性にだらしない、と言うのを聞かされていた。
もし何か言って来ても、お前が悪いって返しとけばええわ、とも言われた。
鬱先生に原因があるんじゃないか、と返すと
寂しそうな顔をして何処かに行ってしまった。
次は慰めてやろう。
シャオロンと鬼ごっこをした。
以前見かけた時に興味深そうに見ていた、と言われた。
感情を案外外に出している自分に驚いた。
広い森でする鬼ごっこはとても楽しかった。
鬼ごっこが終わって兵士もいなくなった後、
俺に構わずθ国王を殴ってくれてありがとう、と伝えると
そのおかげで人気も上がったしええんやで！
と笑って返してくれた。
胸の穴は段々埋まっていった。
それぞれを見れば歪な形ばかりだが、何故か噛み合っている。
ロボロとは毎日話した。
前までは俺から話すことが多かったが、この時はロボロから話してくれることが多かった。
コネシマの寝坊、トントンの苦労…いろんな事を聞いた。
ゾムは毎日悪戯をしてきた。
悪戯をかわすのは反射神経の訓練にもなるし良い。
イフリート、という狼を見せてくれた。
ひとらんとの練習の成果か、イフリートには必要以上に嫌われなかった。
動物の体温は温かかった。
トントンは仕事部屋、書記長室にいることが多かった。
偶に会いに行くと笑顔を見せてくれた。
隈は毎日酷くて、少しでも力になれれば良いと思って書類を手伝ったりもした。
グルッペンとは話したい時に総統室に行った。
昔、俺が居なくなった後の話を聞かされた。
特にトントンが酷かったらしい。
…これが真実なのかの確信は持てないが、
どうせグルッペンの事だから自分のことは教えてくれないのだろう。
.
こんなことを繰り返した。
気がつくと、穴は埋まっていた。
とても綺麗とは言い難い様な歪なパーツで埋められていた。
パーツ自体は歪でも穴にはしっかりとはまっている。
埋まった穴に手を当てると、
真っ暗な空間に来た。
周りを見渡すと小さな光が見えた。
俺は何かに呼ばれる様にその穴へと足を進めた。
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りと - お疲れ様です！何と言ってもあの話が…と言いたいところですが何故か一番好きなのは作者様の敬語でユニークなことを言ってる時ですかね…(何だこいつ)兎にも角にも、楽しませて戴きました！面白い作品を世に放って下さり有難う御座います！！ (7月24日 9時) (
レス) @page50 id: ffe5a6a019 (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - わんぱんさん» そういうことです！読んでいただきありがとうございました！ (2020年11月22日 20時) (レス) id: 328f3541a2 (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん(プロフ) - ああああ！！！61とか紛れ込んでると思ってたがそういう事か！すごい面白かったです！感動しました！素敵な作品ありがとうございました！ (2020年11月20日 7時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます…！ (2020年4月23日 19時) (レス) id: 328f3541a2 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - お疲れ様です。とても感動しました。 (2020年4月22日 14時) (レス) id: 4d71c550a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さささ | 作成日時：2020年3月18日 8時
