#0 ページ22
俺は谷にかかる吊り橋まで来たところで
目を閉じる。
……集中しろ。
この先に敵は、いるのか。
……
＿＿＿音からしてこの先にはもういない。
だが、後ろからは走ってくる音がする。
そしてこの吊り橋の定員は恐らく1名。風邪で軋む音が響いている。
『…ゾム、ここを渡るんだ』
zm「Aは一緒じゃないんか？」
『1人ずつじゃなければこの橋は崩れてしまう』
足音が近づいてくる。
早く、そう言ってゾムを無理矢理渡らせる。
ゾムが渡りきったのを確認して俺も渡る。
しかし、橋の半分まで到達した時、
「逃すなァ!!!」
後ろからは怒号。
何十人も一気に橋を渡ろうとする。
『おい…！崩れ＿＿＿』
次の瞬間、吊り橋は音を立てて崩れた。落ちた。
俺は落ちる瞬間がとてもゆっくりに感じた。
せめて近くに岩でもあれば掴まることが出来るんだが。
生憎近くに岩は無い。
視界に映ったのは俺に手を伸ばそうとするゾム。
この距離なら届くかもしれない。
しかし俺と一緒にいたらまた迷惑をかける。
ゾムもそろそろ1人で生きていける。
＿ここで別れることが最善ではないだろうか。
『俺の手を掴むな！ゾム！！』
俺が叫ぶとゾムは驚いた顔と共に手を引っ込めた。
これで良い。
きっとこれで大丈夫だ。
お前にもいつか会いに行ってやる。
だからゾム、
そんなに悲しい顔をするな。
.
.
.
俺は川底に叩きつけられた。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りと - お疲れ様です！何と言ってもあの話が…と言いたいところですが何故か一番好きなのは作者様の敬語でユニークなことを言ってる時ですかね…(何だこいつ)兎にも角にも、楽しませて戴きました！面白い作品を世に放って下さり有難う御座います！！ (7月24日 9時) (
レス) @page50 id: ffe5a6a019 (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - わんぱんさん» そういうことです！読んでいただきありがとうございました！ (2020年11月22日 20時) (レス) id: 328f3541a2 (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん(プロフ) - ああああ！！！61とか紛れ込んでると思ってたがそういう事か！すごい面白かったです！感動しました！素敵な作品ありがとうございました！ (2020年11月20日 7時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます…！ (2020年4月23日 19時) (レス) id: 328f3541a2 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - お疲れ様です。とても感動しました。 (2020年4月22日 14時) (レス) id: 4d71c550a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さささ | 作成日時：2020年3月18日 8時
