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gr「__A!」
グルッペンの声で俺は我に帰る。
gr「速くしないと置いて行くゾ!」
顔を上げると少し高い位置でこちらを見ているグルッペンがいた。
tn「グルさんアンタ張り切り過ぎやでホンマ…」
俺の隣はトントンが歩いている。
『後どのくらいで着くんだ』
gr「俺が立っている所がゴールだ!速く来い2人とも!」
元気に手を振るグルッペン。
同じ10歳なのにこんなにも勢いが違うのか。
俺が老いているのか、グルッペンが若いかは分からないな。
『やっと着いた。ここに何があるの?』
gr「見ろ!これが俺達の国だ!」
そう言われて茂みを掻き分けると
小さな家、のような物があった。
『秘密基地?』
gr「違う!国だ!」
そう言い張るグルッペン。
tn「俺とグルさんで作った秘密基地やで。グルさんがAをここに招待したい、言うてたから連れてきたんや」
そういうことか。
gr「命の恩人だからな!我が国を見て貰わねば!」
そう言って手を引かれる。
この2人と出会ったのはつい最近、1週間程前だった。
俺は10人程で構成された山賊の一味に育てられている。
みんな厳しいけどそれ以上に優しくていい奴だ。
みんなの力になろうと思って動物を狩りに行った時、
大きくて美味そうな熊がいたから持っていた槍で熊を狩った。
その後視線を感じたのでそちらに目をやると
この2人__
グルッペンとトントンがいたのだ。
どうやら俺が狩った熊はこの2人を襲おうとしていたらしく、
俺は食料を採っただけなのだが、2人の命の恩人になってしまった。
そして今日に至る。
この広い山の中で俺を探し出せたのには素直に驚いた。
gr「改めて言おう!俺はグルッペンだ!将来は国を作る!」
tn「俺はトントンやで。よろしくな」
『…A=スコール。よろしく』
gr「ここに来たからにはお前は俺の国の幹部の1人だ!」
自己紹介からの急展開に驚く。
幹部…?
tn「急過ぎるやろ!Aも困っとるやんけ!」
『ふは…面白いな。良いよ。この国の幹部なったげる』
俺の言葉にグルッペンは目を輝かせて食いついてくる。
gr「じゃあ毎日ここに来るんだゾ!
今日から俺達の仲間なんだからな!」
tn「グルさんはこう言ってるけど無理せんでな」
『大丈夫だよ。毎日来るね』
初めて遊んだ日はこんな感じだったっけな。
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りと - お疲れ様です!何と言ってもあの話が…と言いたいところですが何故か一番好きなのは作者様の敬語でユニークなことを言ってる時ですかね…(何だこいつ)兎にも角にも、楽しませて戴きました!面白い作品を世に放って下さり有難う御座います!! (7月24日 9時) (レス) @page50 id: ffe5a6a019 (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - わんぱんさん» そういうことです!読んでいただきありがとうございました! (2020年11月22日 20時) (レス) id: 328f3541a2 (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん(プロフ) - ああああ!!!61とか紛れ込んでると思ってたがそういう事か!すごい面白かったです!感動しました!素敵な作品ありがとうございました! (2020年11月20日 7時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます…! (2020年4月23日 19時) (レス) id: 328f3541a2 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - お疲れ様です。とても感動しました。 (2020年4月22日 14時) (レス) id: 4d71c550a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さささ | 作成日時:2020年3月18日 8時